FDA Warning letter(320-18-40):API(インド):屋外施設;装置のクリーニング;プロセスバリデーション

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。

今回の対象会社は、インドのAPI製造施設です。指摘は、1)屋外施設; 2)装置のクリーニング; 3)プロセスバリデーションに関する3項目です。

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WL#: 320-18-40
日付: 2018年3月9日
発行オフィス: CDER
対象会社: Malladi Drugs & Pharmaceuticals Limited(インド)
対象品: API(インド)
査察期間: 2017年9月4日から8日
回答受理日:2017年9月
GMP違反:3項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm600931.htm
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<指摘事項の解説>

1.開放系の装置の使用時にAPIの汚染のリスクを最小限にするための適切な配慮をしなかった。

この会社では、APIの製造施設の一部が、屋外に設置されていました。査察官は、近くに鳥や昆虫がいるのを観察したそうです。そのため、医薬(API)の汚染の危険性があると判断されました。装置を開放した時に、汚染リスクを防ぐための予防処置がとられていないということで指摘されています。

(“..)φ;原薬GMPでは、閉鎖系の設備は屋外に設置してもよいことになっています。ここでよく誤解されるのが「閉鎖系」の概念です。作業中は閉鎖系になっていても、マテリアルの投入や洗浄などをする時に屋外でオープンになる場合、これは「開放系」と考えなければなりません。屋外でオープンする時に、屋外環境から完全に保護していれば良いですが、そのようになっていないことが多いです。この会社の指摘事例は、それに当たるものと思われます。

 

2.APIの製造に適した設計ではなく、意図した使用とクリーニングにも適した装置ではなかった。.

この会社は、製造工程の●と●の段階で、●容器を使用しています。これに対し、●容器のクリーニングに●水を使用していると答えています。しかし、クリーニングプロセスは、不十分と判断されました。異物と●から滲み出る不純物の汚染を、防止できる正当性が欠けていたとのことです。さらに、装置は再現性をもって清浄化するのが難しいようです。

読み進めていくと、装置の構成材料にも問題がありそうな感じでした。(“..)φ;詳しくは原文をお読み下さい。

 

3.貴社の製造工程が所定の品質特性を満たすAPIを、再現性をもって製造できることを証明していない。

この会社は、APIの製造工程を適切にバリデートしていませんでした。さらに、●ステップは適切な管理が行われていませんでした。約2年間にわたって、24バッチが不特定の不純物で規格外試験結果になっていました。そのバッチを却下して、再加工していました。

バリデーションバッチ(原文はFDAが使用する用語”process qualification batches”です)の製造前に、製造業者は変動性(ばらつき)の重要な要因(原文は”sources”)を全て特定して、作業全体の堅牢な管理を開発するべきであると述べています。この会社のプロセスバリデーションは、工程の再現性を裏付けるための、工程パラメータとその他の変数に取り組んでなかったということでした。