GMPを勉強しよう-71-MHRA データインテグリティのガイダンス 2018年(6.1)

第6章は、このガイダンスで使用する用語の定義が書かれています。と同時に、その用語に関連するGxPの要件を解釈しています。ボリュームがありますので、文章にするのはどうしようかと躊躇しました。用語の定義ですから、書き方が変ってもあまり大きな違いはないですし。

しかし、このガイダンスの中心部分でもありますね。このガイダンスは、もともとPIC/SやWHOなどの他のガイダンスを補足するためのものです(とMHRAは言ってます)。FDAのドラフトガイダンス(Q&A)と同じような存在かなと思います。中心部分の解釈は必要になりますよね。…定義の解釈って聞いたことないですが…

道のり長くなりそうですね。う~ん…空は晴れてるし…行ってみましょうか。(~_~;)

Data(データ)
データとは、「参考または分析のために収集した事実、数字および統計」のことであると言っています。ドラフトの定義ではここまででしたが、ファイナルでは、より詳しく説明しています。

このデータは、このガイダンスの用語の定義として、基本的に「オリジナルの記録とその真正コピー(true copy)」を指しているようです。そして、これらのデータを説明しています。この説明があるため、その条件に該当するデータは「オリジナルの記録とその真正コピー」しかないという論理展開になります。

このガイダンスで定義しているデータは、「GxPの活動の実施時点で生成または記録」されます。そして、「ソースデータとメタデータおよびこれらのデータのその後の変換と報告」を含むものです。ですから、「GxPの活動の完全な再構築と評価が可能」です。

このように定義されています。キーワードは「オリジナル」と「真正コピー」かなと個人的に考えています。

データは、ALCOAでなければならない(should)と言っています。そして、ALCOAについて説明しています。この部分は、ドラフトからの変更はありません。しかし、ALCOA+の「プラス」の部分の説明が追加されました。

A – データを生成した人に帰属
L – 判読可能で永久的
C – 同時性
O – オリジナルの記録 (または真正コピー)
A – 正確

(“..)φ;ALCOAのLは、一般的には”Ligible”ですが、このガイダンスでは” legible and permanent”と記述しています。辞書で調べると、” legible”には” permanent”の意味合いも含まれていますが、より強調したかったのだと個人的に思っています。

そして、ALCOA+の説明に入りますが、このガイダンスではALCOA+とは言っていません(MHRAの方針が、ALCOAで十分ということだったですね)。ここでは、データガバナンスが保証するものとして、データの属性を補足しているような書き方です。個人的には、「これでいい」と思います。

データガバナンスの活動は、データが完全(Complete)で一貫性(Consistent)があり、耐久性(Enduring)があり、ライフサイクル全体を通じて利用可能(Available)であることを保証すべきだと言っています。

Complete (完全性)- データは完全でなければなりません。 一式完全に揃っているということだと思います。
Consistent(一貫性) – データはそれ自体整合性がなければなりません。
Enduring(耐久性)- durable;データライフサイクル全体にわたって持続可能な耐久性を持っていなければなりません。
Available(利用可能性) – レビューや調査ですぐに利用できるものでなければなりません。すぐ取り出せるということですね。

<蛇足>
PIC/SはALCOA+言うてますから、この言葉使ったほうがよいかも!?