GMPを勉強しよう-71-MHRA データインテグリティのガイダンス 2018年(6.2)

Raw data(生データ)

生データの項目なんですが、ICH GCPの「ソースデータ」とは同義語だということです。個人的にはICH GCPを読むことはないので、これ以上の説明はできませんが、このガイダンスでは「生データ=ソースデータ」ということですね。

(“..)φ;MHRAのドラフトでは、生データの定義が少しややこしく、FDAの定義がベースにある人には別のもののように思われたのではないでしょうか。ドラフトのときでも、GMPを遵守して記録すれば、MHRAもFDAも同じ結果になるのですが、多少意味合いが違いました。MHRAも「生データの定義は、他のガイダンスが示す定義と、若干異なるかもしれない…」(出典省略)と言っていました。しかし、最終版でスッキリしました。

生データは、情報を最初のキャプチャとして記述できるオリジナルの記録(データ)のことです。

(“..)φ;最初のキャプチャ(原文:first-capture)とは、初めに記録したとか保存したというイメージでよいと思います。コンピュータ用語では、最初の「データの取り込み」のことです。

この生データは、取り込みが「紙」でも「電子」でも適用されます。動的状態で、オリジナルで取り込まれた情報は、その状態で利用可能性を維持すべきであると言っています。

(“..)φ;動的状態の原文は” dynamic state”です。即ち、エクセルのような動的記録フォーマットに書き込まれたオリジナルのデータのことですね。これは、その状態で利用できなければならないとしていますので、動的記録フォーマットも当時のバージョンで維持しておく必要がありますね。または、真正コピーの手順書に記載して、バージョンアップ版に対応できていることを検証する必要があるでしょう。OSのバージョンアップにも対応しなければならないし、ソフトが廃版になっても維持しておかなければならいというように、いろいろ考える必要がありそうですね。

ここでも、生データはその活動を完全に再構築できなければならない(must)と言っています。動的状態で取り込まれ、電子的に生成された場合、紙のコピーは「生データ」とみなせないと注意しています。(“..)φ;ご存知のように、紙にはメタデータの一部(データインテグリティで言うところのメタデータ)がコピーされていませんね。

電子データを保存しないか、印刷されたデータのアウトプットのみを提供するような簡単な電子機器(basic electronic equipment)の場合(例えば、天秤やpHメータ)、プリントアウトは生データの性質を持っています。簡単な電子機器が電子データを永続的に保存し、ある一定の容量のみを保持する場合、すなわち一定の容量を超えたら上書きされてしまうような記憶容量の機器の場合は、その対策が必要です。ここでは、このデータは定期的にレビューして、必要に応じて紙の記録と照合して、可能なら電子データとして抽出するべきであると言っています。

(“..)φ;機器からのデータのアーカイブに関して、SOPを作成しておく必要がありますね。