GMPを勉強しよう-68-MHRA データインテグリティのガイダンス 2018年(4.4~4.6)

今回のMHRA データインテグリティのガイダンスは、4.4~4.6を紹介します。

ここで、管理活動や頻度を低減できることを伝えています。その条件は、製品、患者、環境への影響が少ないデータであること、高レベルのシステムアクセスや専門家のソフトや知識がないと修正できないプロセスから生成されるデータであることです。即ち、患者や製品などへのリスクが低く、セキュリティがしっかりしているシステムから生成されたデータは、管理活動の内容や頻度を低減できるということです。それには、これらの条件を正当化する必要があります。

(“..)φ;ここが難しいですよね。FMEAを使ってリスクアセスメントする必要がありますね。

データインテグリティのリスクアセスメント(またはそれに相当するもの)は、プロセスのフォローや機能の実行に必要な要素を考慮しなさいと言っています。その要素は、コンピュータシステムだけではありません。人、ガイダンス、訓練、品質システムも考慮する必要がありますと言っています。

ここで例えて、このように考え方を示しています。「自動化または「バリデートされたシステム」(例えば、e-CRF;分析機器)の使用は、データインテグリティのリスクを低減させるが、取り除くことはできない。」人という要素がからむからですね。人が絡んで、データや記録、報告、保持の方法に影響を及ぼす場合、リスクが高まる可能性があると注意を促しています。その原因は、組織の管理が不十分(poor:もっと強い口調です)であったり、バリデートされたシステムを過剰に信頼してしまうためです。

(“..)φ;「コンピュータで管理されているから大丈夫です」という言葉をよく聞きます。MHRAもFDAも考えは同じで「過剰にコンピュータ化システムを信用しないこと」と業界に伝えています。確かにコンピュータは大丈夫でしょう。しかし、そこには人、訓練、管理、手順、環境などの要素が絡んでくるからですね。全てパーフェクト(100%)ということは、科学の世界ではありえません。これは、私たちがミスしやすいところですので、注意しましょう。

データインテグリティのリスクアセスメントで改善すべき領域が認められた場合、処置の優先順位を文書化し、経営陣に伝えて、レビューの対象としなさいと言っています。長期的な是正処置が必要な場合は、受け入れ可能なデータガバナンスを提供するまでの間、リスクを低減する短期的な処置を実施する必要があります。

(“..)φ;これは、CAPAの原則、短期的是正、中長期的是正、全体的是正(予防処置)と同じように考えればよいと思います。