FDA Warning letter(320-19-24):インドのOTC:品質部門;クリーニング;データインテグリティ

今週はFDAのWarning letterが多く掲載されました。そのうちのCDER発行のものを1通紹介します。

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、インドのOTC製造施設です。

 

指摘は、1)品質管理部門(QCU); 2)装置のクリーニング; 3)データインテグリティに関する3項目です。

 

WL#: 320-19-24

日付: 2019年5月31日
発行オフィス: CDER
対象会社: Glint Cosmetics Pvt. Ltd(インド)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2018年12月17日から22日
回答受理日:2019年4月17日
GMP違反:3項目
掲載サイト:

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/glint-cosmetics-pvt-ltd-573468-05312019

<指摘事項の解説>

1.品質管理部門(QCU)が確立されていない(21 CFR 211.22)。

品質管理部門(QCU)の責任が果たせていませんでした。例として、出荷前の試験結果のレビュー、契約試験機関の認定、実施時点での記録、不良品の保管、安定性プログラムが挙げられています。

(..)φ:不良品の保管をどのようにしていたのかなと思いましたが詳しく書かれていませんでした。

 

2.適切な装置のクリーニング、メンテナンスをしていませんでした(21 CFR 211.67(a))。

複数のOTCの局所剤の製造を共用している装置を、品目切替時にバリデートされた有効な方法で洗浄していませんでした。査察官は施設全体で乾燥した白色の●〔残留物?〕が確認されました。器具の表面、秤量室のドア、層流フードを保護する●などが具体的に書かれていました。洗浄がずさんだったわけですね。

(..)φ:このような状況は、たまに見ます。原則、目に見える残留があれば、洗浄不適切と判断されますが、FDA査察官が見たのはどのぐらいの量、というか程度だったのか知りたいですね。わかりません。

さらに、クリーニング前にログブックにクリーニングを記入していました。データインテグリティの問題です。具体的には、9月から12月までまったく同じ時間に2つのスコップのクリーニングが記録されていました。その中の何日かは、施設の休みの日にもかかわらずです。

(..)φ:ということで、データの偽造が発見されました。

 

3.コンピュータシステムの適切な管理を行っていませんでした(21 CFR 211.68(b))。

試験室のコンピュータ装置は、アクセス制限をしていませんでした。たとえば、HPLCではログインネームとパスワードが共有されていました。