FDA Warning letter(320-18-37):OTC(中国):データインテグリティ、確認試験、安定性試験

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、中国のOTC医薬品製造施設です。指摘は、1)データインテグリティ; 2)コンポーネントの確認試験; 3)安定性プログラムに関する3項目です。

 


WL#: 320-18-37

日付: 2018年2月23日
発行オフィス: CDER
対象会社:Zhejiang Ludao Technology Co., Ltd.(中国)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2017年8月14日~18日
回答受理日:2017年9月11日
GMP違反:3項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm598585.htm


 

<指摘事項の解説>

1.この会社は、規格や標準に適合することを保証するための完全な試験データを含む試験記録を確実にしていませんでした。 (21 CFR 211.194(a))

紙や電子の記録の変更を防止する管理ができていませんでした。具体的には、スプレー剤の3バッチと●の1バッチの分析データを提示できない状態でした。なんと、これらのCOA(分析証明書)は、バッチ製造および試験の前に作成されていたそうです。 (“..)φ:ということで、データインテグリティの欠陥が指摘されたわけです。

このスプレー剤の3バッチのデータは、スタンドアロンのHPLCの電子ゴミ箱に入れられていました。これもデータの削除というデータインテグリティの欠陥に当たります。

このHPLCは、バックアップ機能や監査証跡機能がないタイプのものでした。

 

2.この会社は、コンポーネント(原料等)の確認試験を実施していませんでした。また、供給業者の分析の信頼性も、バリデートしていませんでした。 (21 CFR 211.84(d)(1) and (2))

 

3.この会社は、有効期間と保管条件を決定するための安定性プログラムを守っていませんでした(21 CFR 211.166(a))

(“..)φ:試験はしていたんですが、その方法は安定性の指標(stability indicating)を測定するものではなかったために、指摘されています。

この会社の方法では、含量と微生物限度の確認ができないようです。