FDA Warning letter(320-18-36):OTC(香港):出荷判定試験、プロセスバリデーション;確認試験;安定性プログラム

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、香港のOTC医薬品製造施設です。

指摘は、1)出荷判定試験; 2)プロセスバリデーション; 3)コンポーネントの確認試験; 4)安定性プログラムに関する4項目です。

 


WL#: 320-18-36
日付:2018年2月23日
発行オフィス: CDER
対象会社:Nan San (HK) Pharmaceutical Factory Limited(香港)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2017年9月25日~29日
回答受理日:NA
GMP違反:4項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm598447.htm


 

<指摘事項の解説>

1.この会社は、出荷判定前の規格適合を保証する試験を実施していませんでした。有効成分の確認試験と力価、それに好ましくない微生物が存在しないことを確認する試験についてあげています。(21 CFR 211.165(a) & (b))

個々では、OTCの局所液剤(鎮痛剤)を例に挙げて、微生物限度試験を各バッチに対して実施してなかったことを述べています。実施していない期間は、2013年~2016年でした。その代わりとしてでしょうか、微生物限度試験を2013年に1バッチだけ実施しています。それから、米国向けの製品の出荷判定には、そのバッチと同じ結果を報告していたそうです。

更に、この会社は受託試験施設を最終製品の試験に利用していました。製品には、〔複数〕の有効成分が含まれているのですが、この試験施設では一つの有効成分の確認試験と力価しか試験していませんでした。

 

2.製造および工程管理の手順書を確立していないといういつものフレーズで、プロセスバリデーションの不備を指摘しています。 (21 CFR 211.100(a))

(“..)φ:いつも通りですが、プロセスバリデーションと工程管理のモニタリングをしていなかったということで、FDAのガイダンスをみるように勧告しています。

 

3.医薬品のコンポーネントの確認試験をしていませんでした。(21 CFR 211.84(d)(1))

(“..)φ:コンポーネントの入荷品に対して、確認試験を実施していませんでした。ここでは、供給業者のCOAの信頼性のバリデーションについては、触れていませんでした。

 

4.この会社は、有効期間と保管条件を決めるための安定特性を評価するための手順書を確立して、それを実施していませんでした。(21 CFR 211.166(a))

安定性の特性を評価しないで、有効期間を表示していたと指摘されています。この会社の安定性試験〔?〕のデータは、有効期間を割り当てるには不十分なデータだったようです。