GMP解釈のコツ ‐ 助動詞の意味「訳語は品質システムの一部である」
GMPの翻訳で、現場が混乱する原因の一つは「人によって訳が違うこと」です。
同じ “should” が、ある文書では「推奨」と訳され、別の文書では「必要である」と訳される。さらに、より強制的な「しなければならない」と訳されることも日常的に見られます。
このブレは、単なる日本語の問題ではありません。現場の判断基準そのものを揺らします。
ずいぶん昔の話です。私はある時、監査対応の現場でこう感じました。
「この人は“should”を義務として理解している」
「この人は“should”を無視してよいと考えている」
同じ文章を読んでいるのに、行動が全く違うのです。
その原因はシンプルでした。助動詞が見えなくなっているのです。
そこで私は、あるルールを決めました。
・shall = 〜すること
・must = 〜しなければならない
・should = 〜するべきである
・may = 〜してもよい
たとえ日本語として多少ぎこちなくても、このルールを崩さないようにしたのです。
すると何が起きたでしょうか。
・ 文章を見ただけで、原文の強さが分かるようになった
・議論が「訳」ではなく「要求レベル」に集中するようになった
・査察時の説明が一貫するようになった
こんなことが起きたのです。
翻訳は、単なる英語から日本語への言い換えではありません。規制の強さを伝える行為です。
もちろん、日本語として美しくすることも重要です。しかし、GMPにおいて最優先されるべきは、
・誤解されないこと
・判断がぶれないこと
です。
だから私は、あえて“少し不自然な日本語”を使っています。その代わりに得られるものは、私にとってとても大きいのです。
・組織全体の判断が揃う
すなわち、翻訳を揃えると、行動が揃う。そして、行動が揃うと、品質が安定する。(ちょっと言いすぎかなw)
しかし、これだけは胸を張って伝いたいと思います。
・「訳語は、品質システムの一部である」
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