FDA Warning letter(320-18-09):中国の会社(出荷判定試験、原料受入試験、有効期間の保証)

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、中国のOTC医薬品製造施設です。製品の出荷判定試験、原料の受入試験、安定性モニタリングと有効期間の保証について指摘されています。

WL#:320-18-09
日付: 2017年11月17日
発行オフィス:CDER
対象会社: Hangzhou Facecare Cosmetics Co. Ltd.(中国)
対象品:OTC
査察期間:2017年6月19日~22日
回答受理日:2017年7月12日
CGMP違反:3項目
掲載サイト:

https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm586711.htm

 

<指摘事項の解説>

1.出荷判定前に、各製剤のバッチが有効成分の本質(同一性)と力価を含む医薬品の最終規格に適合することを、適切な試験で決定していなかった。(21 CFR 211.165(a))

同一性と力価を含む規格の適合性について、適切な合否判定試験なしに、OTC製薬製品を出荷判定した。査察中に、出荷判定をサポートする分析データを提供できなかった。

2.各成分に関する本質、純度、力価、品質に関する規格書への適合を試験しなかった。(21 CFR 211.84(d)(1),(2)) 

貴社の医薬品の製造に使用されるAPIおよび他の成分の入荷品が、適切な品質特性を有することを試験しなかった。例えば、同一性確認試験を実施しなかった。記者は、外観、重金属、微生物特性に関する受け入れ試験を求めているだけだった。

3.医薬品が適切な安定性試験でサポートされた有効期間を守っていることを保証していなかった。(21 CFR 211.137(a))

査察官は、有効期間のないOTC医薬品を米国に出荷したことを確認した。また、これらの製品が有効期間内に、規格(例えば、有効成分の含量)を満たしていることを示す安定性データがなかった。

 

<FDAのコメント>

以下の項目を示していないため、この会社の回答は不十分と判断されました。

  • バッチ出荷判定前に各医薬品のバッチを分析する貴社(または契約研究所)の品質管理試験法と規格。
  • 米国向けの全ての医薬品を日付順に、有効成分の本質と力価、その他の適切な品質特性(好ましくない微生物の計数を含む)を試験した結果の要約。
  • 全ての入荷成分に関する品質管理の出荷判定規格と、記者がロットごとに実施する試験。
  • 全ての入荷成分のベンダーの分析証明書をバリデートするために、試験して得られた結果の要約貴社は、各入荷成分のバッチに対して確認試験を実施することを約束していない。  
  • 製造する医薬品を試験する契約施設の適格性を監督するための手順(例:適格性、監査、責任の説明)。
  • 米国に配送した医薬品が、指定された保管期間を通じて規格を満たすことを示す安定性データと、実施中の安定プログラムに関するSOP。
  • CGMP要件に対する遵守の包括的な評価と、十分な改善を保証するCAPAの計画。