今こそ学習する組織が必要

まだビジネスマン駆け出しの頃、読書三昧の生活を送っていました。もう30年以上前の話です。その時の読書といえば、純文学は卒業して、ほぼすべてがビジネス書でした。流石に満員電車の中では、軽いタッチの企業小説や企業家の物語を読んでいました。おかげで、雑学は身についたようです。しかし、手当たり次第に読んでいった結果、消化不良を起こしていました。仕事の場で活かせるものもありましたが、多くはそのままスルーしてしまいました。身につかない読書の典型、単に多読していただけでした。

なかには、強烈な読後感を味わった本もあります。感激は、1週間、2週間と薄れることがなかった本です。その一冊が「学習する組織」について書かれた本でした。古い本で、すでに処分しているので、出版社も訳者も、正式な本の題名も定かに記憶していません。当時、私は「ラーニング・オーガニゼーション」と言っていました。

その読後感は薄れることがなく、しばらくしてから同世代の仲間を集めて、このような組織を構築するための勉強会をはじめました。ところが、本のようにはいかず、1年ほどで解散しました。ビジョンもマインドもスキルも未熟だったからです。

しかし、今でも信じています。「学習する組織」の構築が、とても大切だということを。とくに外部環境が急激に変化しているGMPでは、このような組織の構築が望まれます。一旦構築したら継続させる必要があります。難しいかもしれませんが、GMP組織は外的圧力を推進力にすることができますので、それをなんとか利用できないものでしょうか。継続性をもって自己革新できる組織=学習する組織を構築したいものです。

蛇足ですが、「大企業は、歴代のマネジメントの勇気や努力やビジョンのおかげで、長い間苦労しなくてもすむ…存在であり、ほとんどの大企業が現実にはそのように運営されている。そして、ほとんどの大企業が長い時間をかけて衰退していっている」(「チェンジリーダーの条件」)と経営の神様、ピーター・ドラッカーが言っています。学習する組織の構築が必要な所以です。