今週のWarning letter #4

4月2日にFDAホームページでアップデートされた今週はWarning letterが3通掲載されましたが、そのうちの1通は先週#3で紹介した会社です。そこで、今回は2社のWarning letterを紹介します。


 

■2014/03/27 ホームページ掲載

web site http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm390435.htm

WL#:320-14-06

Date:March 18, 2014

Company:宛先:GlaxoSmithKline(査察サイト:SmithKline Beecham (Cork) Ltd.)

Office:CDER

*このWarning letterは、ノースカロライナ州のGlaxoSmithKline社CEO宛に送られた。査察工場はアイルランドのコークにあるSmithKline Beecham (Cork) Ltd.で、カーボンコピーが工場長に送られている。

◆ API(海外:アイルランドの会社)

2013年10月18~23日の査察。

回答書を詳しくレビューした結果、十分な是正処置とはいえなかった。

CGMP違反3項目

 1.  Failure to fully investigate critical deviations.

重大な逸脱が十分に調査されなかった。

指摘内容:複数のバッチが、API、中間体、溶剤の入った廃棄タンクから汚染していた。この汚染は2012年1月から知られており、汚染された溶剤を用いて2013年4月19日に製造されたバッチの品質への影響を判断するリスクアセスメントが実施された。貴社は、この重大な逸脱を認知した後の、汚染の可能性のあるバッチを出荷した。一方で、汚染バッチ(ロット番号伏字)を不合格とした。

二つのバッチで品質の影響を評価したが、その二つのアプローチは異なっていた。たとえば、一つの評価は標準的な出荷判定試験でバッチに影響を与えるような量の汚染物質を検出しなかったが、○○の追加試験で○○(物質名)がかなりな量みられた。その評価は、出荷判定試験で用いたサンプル抽出方法は、完全に抽出できなかったので、廃棄物の汚染による影響を実証するために追加試験を行ったと述べている。しかし○○(バッチ名)に対しては、追加試験をせずにサンプルが合格した試験結果を信頼して、品質に影響なしと結論付けた。

FDAが期待する対応:貴社のSOPは、品質に影響する可能性のある逸脱に関する情報を現場から受け取るための意思疎通(コミュニケーション)をしなければならないと述べている。査察中に貴職員は、製品の品質に影響することはないと決定して、顧客に逸脱報告をしないことを選択したと査察官に伝えた。FDAが懸念するのは、医薬品の廃棄物が製造工程に流れこんだことを、品質への影響を与える重大な逸脱であると貴社が認識しないことである。貴社の回答書は、この出来事を顧客に伝えるべきであることを認めたが、この出来事に関する是正をするための顧客との最近または将来のコミュニケーションについて説明していなかった。

2. Failure to investigate and document out-of-specification results.

OOS結果の調査と文書化ができていない。

3. Failure to demonstrate that your manufacturing process can reproducibly manufacture an API meeting its predetermined quality attributes.

貴社の製造工程が、所定の品質特性を満たすAPIを、再現性をもって製造可能であることを証明していない。

バリデーションプロトコルに、少なくとも連続3回PPQバッチ(process performance qualification;プロセスバリデーションのデータを収集するためのクオリフィケーションバッチで、日欧では通常PVバッチと呼んでいる)が製造されることを述べているが、二つの異なる状況で製造されていた。最初の2バッチで気づいた後、使用装置を修正した。しかしこれらの変更は、その5バッチ((“..)φ;最初に2バッチ+3回連続3バッチかどうかは文面から明確に読み取れない)でさらに予防できるほど十分ではなかった。その後、製造工程の○○を交換して、6バッチを製造した。バリデーションプロトコルの実施中、オリジナルのPPQバッチは○○のために不合格判定され、再処理された。この工程の問題がなかった第3、4、および6バッチの製造をもとにして、貴社はプロセスバリデーションプロトコルが成功裏に実行されたとみなした。


 

■2014/03/27 ホームページ掲載

web site  http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm390521.htm

WL#:14-PHI-05

Date:March 7, 2014

Company:Pentec Health, Inc.

Office:Philadelphia District

◆ 無菌医薬品(米国の会社)

2013年3月18~4月1日の査察。

無菌医薬品の製造に関する重大な欠陥があった。無菌医薬品を加工するISO 5のフード内に、消毒せずに物を置いたり、開口容器の真上で(層流を妨げる)操作を実施しているなど、無菌テクニックの違反が見られた。これらの観察は、2013年4月1日発行のFDA-483に記載した。貴社はその後、無菌保証を欠いた製品163ユニットのリコールをした。