FDAドラフトガイダンス要旨-分析手順のバリデーション #8

ドラフトガイダンス要旨:Guidance for Industry Analytical Procedures and Methods Validation for Drugs and Biologics, February 2014

(“..)φ:本文の「~べきである」は、原文が“should”で表現されていることを示しています。

Ⅵ. NDA、ANDA、BLA、DMFのための分析法バリデーション

A. 非公定法の分析手順

分析法バリデーションは、分析手順が意図する目的に適していることを証明するプロセスである。初回のバリデーション調査前に、分的手順の方法論と目的が明確に定義されて理解されるべきである。この理解は、科学的に裏付けられた試験法の開発と最適化の研究から得られる。バリデーションのデータは、CGMPを遵守するスポンサーが承認した計画書に従って、各特性試験の方法論を説明し、あらかじめ定めた正当な合否判定基準が規定され、CGMP条件下で適格性評価された機器を使用して、収集されなければならない。原薬および製品の検体または個別のマトリクスにおける検体の混合物の計画書が作成され、実施されるべきである。

ICH Q2(R1)は、分析手順のバリデーション特性に関する提案と定義に関する主要な参考文献である。FDA審査官のガイダンス: Validation of Chromatographic Methodsも同様に利用可能である。

 

B. バリデーション特性

全てのバリデーション特性が全ての試験に適用されるわけではないが、典型的なバリデーション特性は以下のものである:

  • 特異性
  • 直線性
  • 真度
  • 精度(併行精度、室内再現精度、室間再現精度)
  • 範囲
  • 定量限界
  • 検出限界

手順が、原薬および医薬品の保管中の定量特性の変化を検出可能な、バリデートされた定量分析手順なら、それは安定性指標分析(stability indicating assay;(“..)φ:日本では安定性試験と訳されることが多い)とみなされる。安定性指標分析の特異性を証明するために、チャレンジの組み合わせを実施すべきである。チャレンジには、干渉が全て既知の目的分析物質をスパイクしたサンプル;さまざまな試験のストレス条件を与えたサンプル;加齢したか加速温湿度条件下で保管された(最終製造工程で製造された)実際の製品サンプルの使用を含む。

 NDA、ANDA、またはBLAの所有者は、以下のことをしなければならない:

  • 正確性と信頼性の適切な標準に対応した試験に用いる、分析手順を設定するために使用したデータを提出する
  • 分析手順やその他設定した管理の変更を含めて、承認された各条件が申請書の変動を超えるような変更は、各々FDAに通知する。

提出されたデータは、通常試験法の開発または計画されたバリデーション調査の一部として実施される、試験法の堅牢性の評価の結果を含むべきである。

 

C. 公定書の分析手順

分析手順の適切性(例えば、USP/NF、AOAC試験法の国際本、その他の認証済み標準)は、実際の使用条件下でベリファイすべきである。複雑で多数のステップやテクニックが述べられている公定書の一般章(general chapters;(“..)φ:通常3ケタの番号のチャプター、この頃は4ケタの番号もある)は、意図する使用に対して合理的であり、確認されるべきである。USP/NF分析手順が医薬品または原薬に適することを証明するための情報は、ベリフィケーション計画書で提案されて、収集されるべきである。

ベリフィケーション計画書は、次を含むべきであるが、これだけに限らない:

  • 所定の合否判定基準でベリファイされるべき公定法、
  • 方法論の詳細(例えば、試薬、装置、構成品、クロマトの条件、カラム、デテクターのタイプ、デテクターの信号応答の感度、システム適合性、サンプル調製、安定性の適切性)。

 ベリフィケーションの手順と範囲は、どのバリデーション特性試験(例えば、特異性、LOD、LOQ、精度、真度など)を含むべきかを、計画書に示すべきである。計画書に入れるべきどの特性試験に影響するかの検討は、規格限度が公定法の合否判定基準より狭く設定されているか、または原薬の合成経路、製造工程や医薬品のマトリクスの差のために、クロマトグラフィー法でRT、RRTプロファイルが変動するかどうかなどの状況による。もし試験法を偏差に行えるなら、公定法の堅牢性の調査は必ずしも含める必要はない。