GMPを勉強しよう-22-冷蔵医薬品Part 1:受取と保管その2
GMPを勉強しよう21の続き…
冷蔵庫内の温度モニタリングについて
輸送にも適用可能だが、冷蔵庫保管の製品は校正済みの最低/最高温度計で毎日温度モニタリングの対象となる。測定機器は校正証明書が必要である。温度が逸脱したことが判断できる温度記録をつけて、逸脱した場合は行った是正処置を記述する。
ここでその方法の例が示されている→温度が逸脱した場合、同じ日に後で温度をみて、温度の逸脱が一時的なもので、今は正常な範囲にあることを確かめるのが最もよい方法だと言っている。
責任者は、全ての逸脱の報告を受けなければならない。(“..)φ:そのための連絡方法がSOPに記載されているとよいですね。
温度記録は問題が発生したときに特に重要なので、適切に保管する必要がある(may be required as evidence of appropriate storage.)。これを念頭に、温度記録は変更や修正されないようにして、温度確認の責任者が不在の時をカバーするために訓練を受けた代理要員を設けるべきである。
温度記録は、責任者が日常的にレビューしてサインする。
≫以下のガイダンスがグリーンガイドに載っているとして、2例あげている。この事例も翻訳ではなく、概要をかいつまんで説明するにとどめますm(__)m
温度マッピングとモニタリングに加えて、適切な保管条件を維持するための保障をすべきである。小さな医薬品用冷蔵庫が、必ずしも卸売の使用に適するとはかぎらない。冷蔵庫は扉を開けた後、冷えすぎることなしに、すぐに温度が回復しなければならない。これは、内部のファンと棚の設計で、効率的な空気の流れを可能にしてアシストすることができる。内部にはアイスボックスや調整可能な温度ダイヤルがあってはならない。
小さな冷蔵庫を使用する場合、異なる状態のものを分けるよう配慮すべきである。例えば、入荷品、隔離保管品、返品や在庫外の品などの分離。エアー循環が適切に行え、製品が壁や床に接触しないよう、十分なスペースが必要である。冷蔵庫の容量まで収納する場合は、温度分布の効果について調査すべきである。非管理のゲルパックのような、冷蔵品でないものを冷蔵庫に入れる場合、それが起こす温度上昇などの影響を評価すべきである。
以上が、グリーンガイドの記載例とのことだ。
≫大規模商業用冷蔵庫およびウォークイン冷室は、適切に設計、配置され、適切な材料で構築されるべきである。
設計は、GDPが遵守できなければならない。たとえば、隔離保管などができるように。凝縮水は中に貯めないようにすること。冷蔵庫のサイズに応じて、1箇所または複数箇所に電子的温度記録装置で温度モニタリングをすること。停電や温度の逸脱(エクスカーション)が分かるようにアラームを設置する。
≫冷凍庫も同じ原則が適用される。
ウォークイン冷凍庫は、オペレータの健康と安全のリスクを考慮する。また、温度の逸脱のリスクを考慮して、作業の影響についてレビューすること。
≫医薬品の短時間の保管については、MHRAはガイダンスを出している。
Short-term storage of ambient and refrigerated medicinal products – requirements for a wholesale dealers authorisation (WDA)
医薬品は、卸売販売許可された敷地内に保管する。しかし、輸送車両や集荷倉庫などもあるので、その場合は短時間の保持ができる。許可証に載っていない場所(ambient temperature)では、36時間未満の保持とする。
36時間以上室温保管製品を保持する場所は、ライセンスの取得が必要である。製造保管製品を保持する場合は、36時間未満でもライセンスの取得が必要である。しかし、これらの製品が輸送中であり、冷蔵車両で一晩保存される場所は、除外する。
≫冷蔵庫のベストな実践について。
どんなタイプの冷蔵庫も冷蔵室も、マッピングを行った後で使用する。製品は棚に整然と収納する。床に直接置いてはいけない。エアーの循環と一貫した温度、容易にクリーニング可能であることを保証する。
校正済み温度プローブを、冷蔵庫内の中央部分、できれば製品間にも設置すべきである。ドアには設置しないこと。
冷蔵庫は定期的にクリーニングする。少なくとも年に一度は行う。
冷蔵庫に可聴または可視アラームが装備されている場合、定期的に特定の温度で正しく作動することを確認する。
冷蔵庫内の在庫は、有効期限が早く来る物から出荷する(FEFO)在庫回転システムとする。先入れ先出しではなく。
医薬品を保管する冷蔵庫には、食べ物や飲み物、その他交叉汚染の可能性があるものを保存しない。