Warning letter #320-13-21(7) 211.194(a) データのインテグリティ

 3. Your firm failed to ensure that laboratory records included complete data derived from all tests necessary to assure compliance with established specifications and standards (21 CFR 211.194(a)). 

指摘内容:試験記録には、実施した全ての安定性試験の完全な記録が含まれていなかった。FDA査察官は、正式な安定性試験の分析データを収集する前に、HPLCの「トライアルの」サンプル分析を実施していたことを確認した。これらの「トライアル」は、複数の歳人に対して実施されていた(●錠●mg、●mg…)。これらの「トライアル」は、ログブックに記録されていず、分析に関連するサンプル調製データは計算や分析ができないように破棄されていた。貴社の回答は、FDA査察官が査察中にレビューした安定性試験室にあるHPLCのみに、「トライアル」試験を実施していると述べている。そして、手順を改訂し、職員を再訓練したことを示している。

更に品質管理のHPLCの生データファイルは、一般的なログインシステムで、分析者によってハードドライブからデリートすることができる。このデリートは、サンプルのインジェクションと分析の全てのデータを消去する((“..)φ;ことができる)。貴社は、このデリート機能は●のHPLCのみに使われているソフトウェアであると回答した。また、分析者のアクセス権を変更して、「ユーザー」機能ではファイルの削除や名前の変更をできないようにしたことを示している。

FDAが期待する対応:貴社の回答は不適切である。なぜなら、①文書化されていない、受け入れられない「トライアル」分析の実施の根本原因を示していない;②安定性試験室の内外に設置されたコンピュータの電子記録を利用する他の装置にまで調査の範囲を拡大していない;③これらの装置で試験した全ての医薬品のリスクアセスメントをしていないからである。この警告状に回答するために、全ての試験装置およびデータの操作を防ぐための適切な管理が欠けていたために影響したと思われる他の工程関連装置を評価しなさい。さらに、試験記録の操作や変更の適切な管理と検出ができなかった品質部門の根本原因を調査し、再発防止計画を述べなさい。

(“..)φ;一旦このような指摘を受けたら、残りの全ての装置に対しても調査と対策を文書で提出するよう、当局は期待しています。普通は、やらなくてもよい、例えば欠陥がないことが分かっている装置でも、それを調査して証明しなければならないという、大変な作業になります。1台のために10台50台100台の調査と文書化をしなければなりません。….ですから、FDA-483を受けたら対応しようという姿勢は、大変な労力を強いる覚悟が必要です。やはり、指摘ゼロを目標に事前の十分な準備が必要でしょう。