FDAのWarning letter(320-17-47)中国のOTC医薬品:ペストコントロール;汚染防止;データインテグリティ
FDAのWarning letterが掲載されました。今回の対象会社は、中国のOTC医薬品製造施設です。
データインテグリティの問題が指摘されています。情報の欠落と試験記録のデータの書き換えですが、重大性の分類としては指摘4項目のうちの4番目でした。それ以上に重大な指摘は何か?を学ぶ材料になります。
WL#: 320-17-47
日付: 2017年8月11日
発行オフィス: CDER
対象会社:Bicooya Cosmetics Limited
対象品: OTC医薬品
査察期間:2017年5月22-25日
回答受理日: 2017年5月31日
CGMP違反:4項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm572240.htm
<指摘事項の解説>
1.建物の防虫防鼠ができていない (21 CFR 211.56(a))。
査察官は、施設のいたるところで、ネズミの糞を観察した。例えば:
- OTC医薬品製造用の充てん機に直接近接する場所
- 医薬品に組み込む(b)(4)を生産する(b)(4)システムに直接近接する場所
- 原料と製品の倉庫の至る所
2.クリーニング、メンテナンス、消毒等を怠った(21 CFR 211.67(a)) 。
OTC医薬品の製造に使用する(b)(4)タンクに残渣が堆積していた。樹脂でラップされた移送用のホースが損傷していた。従業員が(b)(4)タンクを開けるとヒンジが壊れていた。
3.出荷前に医薬品の各バッチの適切な試験をしなかった(21 CFR 211.165(a))。
出荷前に、APIの含量の試験を全てのロットに対しては行っていなかった。また、微生物試験(菌数限度、好ましくない微生物)も各バッチに対して行っていなかった。貴社は、顧客から依頼された微生物試験のみを実施していたと答えた。
4.完全な情報が入ったバッチ製造管理記録を作成しなかった(21 CFR 211.188)。
合衆国に出荷されたOTC医薬品(軟膏を含む)のロットのバッチ記録をリクエストしたが、その記録を提出できなかった。さらに、分析試験記録はデータ、日付、サインが欠落していた。また、分析試験報告書の情報を書き換えている貴社のスタッフを査察中に観察した。例えば、軟膏の(b)(4)ロットはすでに合衆国の市場に流通しているものだったにもかかわらず、このロットの分析試験報告書をかなり書き換えた。