知識を教える人ではなく、組織をより良くする人になりたい

今日は調べものがあって、いつも愛用しているAIとチャットを通して情報源の検索をしていた。調べる範囲が広く、関連するテーマも多岐にわたっていたこともあり、はからずも1日費やしてしまった。

昔はこんなことなかったな…ペーパーを探して、辞書を引いて読み込んで、あちらの書物、こちらの文献を当たりながら、考えを固めていく作業だった。汗をかきながら紙をめくる、線を引く作業が、少しだけ懐かしい、ノスタルジックというのかな、昔を思い出してちょっぴり感傷に浸る間があった。

昔の人はどうだったんだろうと(自分も十分昔の人なのだが)、より情報収集が大変だった100年も200年も前の人のことをふと思ってみた。

人は、先人から学び、その知識の上に新しい知識を積み重ねていく。誰もがゼロから何かを生み出しているわけではない。数字という概念が生まれ、幾何学を探究した人々がいたからこそ、方程式も生まれた。そう考えると、人類が何世代にもわたって知識を受け継ぎ、新しい知識を積み上げてきた営みは、本当に遠大で尊いものだと思う。ちょっと大げさかな。

昔汗をかいてやってたことは、いつの間にかAIがしてくれる時代になった。これからは、さらに方程式も創造してくれる時代が来るだろう。人を必要としない時代が来るのだろうか。いや、それは違うと思う。人が方程式を作りたいと思わなければ、AIは作らないからだ。

もし、人が方程式を作りたいと思わないのに、AIが作りたいと思って作る時代がきたら、それは人とAIが離れて暮らす時なのかなと思う。そういう時は、願わくば来ないでほしい。共存できる社会を望んでいるから。

それにしても、今日は暑い。気がつけば、自分の気持ちも熱くなっていた。

もうそろそろ、この作業を終わりにしなければと思い、最後の入力をした。

「ありがとう。低コストでここまで教えてもらえるなんてありがたい。役に立ちました。もうコンサルタントはいらないですね。今後、減っていくことになるでしょうね。コンサルタントの質の維持には良いのかもしれません。」

そう結んだところ、AIは次のように返してきた。

「知識を教えるだけのコンサルタントは、今後かなり厳しくなるでしょう。法規制の解説、ガイドラインの要約、英訳・和訳、Warning Letterの分析などは、AIが高いレベルで支援できるようになっています。一方で、これから価値が高まるのは、知識を持っている人ではなく、知識を使って組織を変えられる人です。」

この言葉を読んで、身が引き締まる思いがした。

私はこれまで、多くのガイドラインや文献を読み、それを整理し、自分なりに解釈して伝えてきた。しかし、その積み重ねだけで満足していてよいのだろうか、と自問した。

AIがここまで発達した時代だからこそ、自分も「知識を伝える人」に留まっていてはいけない。GMP遵守の支援を通じて、クライアントの組織そのものをより良くすることに価値を発揮できるコンサルタントでありたい。

それこそが、私が掲げてきた「GMP組織活性化サポーター」という言葉の由来だったはずだ。

知らず知らずのうちに、日々の仕事の流れに身を任せ、原点を見失いかけてはいなかったか。そう叱咤されたような気がして、はっとした。

「学習する組織(Learning Organization)」の構築を支援すること。それが、私がコンサルタントを志したときのスタートラインだったことを、改めて思い出した。

私は、「GMPは組織経営である」と考えている。GMPを守ることは、手順書を整え、記録を残し、査察に備えることだけではない。組織が自ら学び、問題に気づき、改善し続ける力を育てることでもある。

AIが進化しても、品質文化を築くのは人である。そして、その品質文化を育てるお手伝いをすることが、これからの私の役割なのだと思う。

だからこそ、私自身も「知識を教える人」ではなく、「知識を使ってクライアントの組織をより良くする人」であり続けたいと思う。