誤解しないようにご注意ください

今日の随筆は、もしかしたら誤解されるかもしれません。読む方は「誤解しないようにご注意下さい」。

私が10年以上会員登録を継続しているある情報源(ECAではありません)に、最近2回ほどこんなことが書かれていました。

「"Qualification Master Plan(QMP:クオリフィケーションマスタープラン)"が必要だ」という感じです。

この文章を読んでいて、あれっと思ったのは、すでにバリデーションマスタープラン(VMP)にクオリフィケーションを記載する要件があるからです。そこに書かれているのは、個別のプログラムではなくクオリフィケーションのマスタープランだからです。

もうあるのになぜこんなことを書くのだろう?という疑問があって私の注意を引きました。

それと同時に、またややこしいことが、ヨーロッパ系の情報から出てきたな。これは日本にも影響する日が来るかなと、懸念に近い思いを感じました。

(一部の情報をもとにした思い出話なので、自分の思い違いかもしれませんが)

そういえば、試験室の装置のPQを言い出したのもヨーロッパだったように思います。その時のアメリカの現場での反応は、「インキュベータのPQって何をするのだろう?」「インキュベータのワーストケースって、培地何個入れるの、何個重ねるの?」「重ねた培地の上と下の平板の違いを調べるの?」ということでした。

それまでは工程装置が対象だったPQに、突然試験室の装置のPQが出てきたので困惑したものです。「天秤のPQって何するの?」みたいな。当時は、試験装置のクラス分類やグルーピングなどの考えは出されていませんでした。いわば、十把一絡げでPQだぞ~といった感じでした。当時の混乱は推して知るべしです。

そこから、PQは類似した用語の定義ながら、アプローチの違いが出てきて、別のものという考えが定着していきました。

(ここまでの内容は、私の記憶が正しければという前提です。)

このように考えてみると、クオリフィケーションも特にPQは、もう少し詳しく書く必要があるかもしれないとは思います。その点で、独立したQMPを受け入れる感情も少しは湧いてきます。しかし、本音は「それは、マスタープランではなく、プログラムやプロトコルに書くことでしょ」と思っています。

もう一つ、私がいつも思っているのは、VMPは普通「3つのプロジェクト:プロセス、洗浄、コンピュータ」が書かれていて、他のメジャーな「分析法」と「滅菌」のプロジェクトプランはのけものになっているな、なんでだろうってことです。「滅菌」についてはわかりますけど、「分析法」ってどの事業所でもあるでしょ。

これも、QMPの考えに影響してるのかな?

振り出しに戻りますが、こういうこと(QMP)を書かれると「クオリフィケーションマスタープラン」を独立して作成しなければならないと考えたり、言い出す方も出てくるかもしれませんね。それが高じると、余計な取り組みが増えて…嫌ですね。そんなこと考えたくないな。

いずれにしても、今は個人または団体レベル提案の段階だと思います。要件になるとしても、ずいぶん時間がかかるでしょう。

私たちは決まったらそれに従わなければならない立場ですから、静観して行方を追っていくしかありませんね。