FDA Warning letter(320-18-14):OTC医薬品(中国):装置;製造手順;試験;原料;記録

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、中国のOTC製造施設です。指摘は、装置のメンテナンスができていないこと(充てん機の汚れなど);手順通りに実施していないこと;出荷判定に必要な試験が行われていなかったこと;原料のCOAを信用し、確認試験を行っていなかったこと;バッチ記録が作成されてないことの5項目です。

この中で、査察官が撮影した写真が証拠となって指摘されて、普段あまり見かけることのない事例がありますので、その部分を紹介します。


WL#:320-18-14
日付:2017年12月5日
発行オフィス:CDER
対象会社:Shanwei Honghui Daily Appliance Co., Ltd. (中国)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2017年7月31日〜8月3日
回答受理日:2017年8月23日
GMP違反:5項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm591795.htm


<指摘事項の解説>

  1. 医薬品の品質に影響するような装置の機能不良や汚染を防止すべく、適切な間隔で装置や器具の清掃、メンテナンス、および医薬品の特性に応じた消毒、滅菌をしなかった。(21 CFR 211.67(a)
        例えば、査察官が撮影した証拠写真をもとに、米国市場向けOTC医薬品の製造に使用される貴社の充てん機は不潔で、ダンボールと汚れたボロ切れで囲われていた。貴社は、10年以上前に設置された●システムも消毒していなかった。

(“..)φ:FDA査察官は、現場で写真撮影することもあるという事例です。写真については、米国の法定で有用な証拠として認められています。

査察官にとっては、GMP対象領域での写真撮影は当然の権利ですので、禁止することはできません。私達は、GMP対象外の領域に対して、それを理由に撮影禁止をお願いすることができます。また、GMP対象も含まれているところでは、事情を話して撮影を遠慮してもらうことを、お願いベースでお伝えすることができるかもしれません。査察官は、好意的に振る舞ってくれるものと思われます。しかしこの場合、査察官が撮影すると言ったら断ることはできません。断れば、査察妨害となりますので、伝え方(コミュニケーション)が重要だと思います。ベテランの通訳さんに、相談されるとよいかもしれません。