FDA Warning letter(Case# 532514):OTC医薬品受託製造業者(アメリカ)

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterが掲載されました。今年3通目の警告書です。今回の対象会社は、アメリカのOTC医薬品製薬製造施設です。

指摘された項目は、保管区域の汚染および混同防止管理不足、品質部門の責任と権限の不十分な遂行、調査不十分、データインテグリティ(行為の未記入=データの欠落)です。

WL#: Case# 532514
日付: 2017年12月21日
発行オフィス:Detroit District
対象会社: Continental Manufacturing Chemist, Inc.(アメリカ)
対象品: OTC医薬品(CMO)
査察期間:2017年4月24日~28日
回答受理日:2017年5月12日
GMP違反:4項目
掲載サイト:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm591326.htm

<指摘事項の解説>
1.汚染及び混同防止のための定義した区域を適切に分離していなかった(21 CFR 211.42(c))。

 OTC医薬品と除草剤や接着剤除去剤などの非医薬品を製造しているが、最終製品の隔離保管は区別しておらず、割り当てた区域に分離保管されていなかった。

2.原料、容器、栓、中間製品、包装材料、表示材料、医薬品の承認または却下の権限と責任を有する適切な品質管理部門(QCU)を確立していなかった(21 CFR 211.22(a))。

 品質部門がバッチの出荷可否判定をする前に、最終製品(3バッチの口腔洗浄剤と2バッチのフッ素系練り歯磨き)を出荷していた。

3.バッチまたは原料の規格との不一致を十分調査していなかった(21 CFR 211.192)。

 品質部門は、製品の汚染、容器施栓系の不具合に関する製品品質から顧客の苦情の問題まで、16件のうち少なくとも12件の十分な調査を実施していなかった。また、2014年9月19日以降に発生した製造工程に関連する16件の不一致のうち、少なくとも8件は十分な調査が行われなかった。

4.試験記録に必要な全ての完全な試験データが含まれていることを確認しなかった(21 CFR 211.194(a))。

 サンプル調製および分析の試験記録を保管していなかった。動物用リニメントの分析中に、分析者は使用した試験法、実施した分析ステップを記録しなかったのを、査察官は観察した。