ベリフィケーションとクオリフィケーション<その6最終回>

少しだけ細かい事(ややこしくなるので注意してください)を話して、この回を閉めます。

FDAが初めて出したバリデーションのガイドラインは、1987年の"GUIDELINE ON GENERAL PRINCIPLES OF PROCESS VALIDATION"です。当時の用語の定義には、2つのPPQがありました。それは、医薬品と医療機器のセンターが共同で出していたからです。

Process performance qualification – Establishing confidence that the process is effective and reproducible.

Google 翻訳:プロセス性能認定 – プロセスが効果的で再現可能であるという信頼を確立します。

Product performance qualification – Establishing confidence through appropriate testing that the finished product produced by a specified process meets all release requirements for functionality and safety.

Google 翻訳:製品性能の認定 – 指定されたプロセスによって製造された最終製品が、機能性と安全性に関するすべてのリリース要件を満たしているという適切なテストを通じて、信頼を確立します。

医薬品では、前者の用語を使用しています。私たちが言っているプロセスバリデーション(PV)は、アメリカではプロセス・パフォーマンスクオリフィケーション(PPQ)と言っています。ちょっとややこしいので、今回はこの話をしない予定です。

FDAはその昔(W)、医療機器のセンター(CDRH)が2002年に"General Principles of Software Validation; Final Guidance for Industry and FDA Staff"を出しました。ソフトウェアは手で触れないのでバリデーションですね。

でもコンピュータシステムは手で触れますよね。なぜバリデーションというのでしょうか。このガイダンスに書かれています。

“While IQ/OQ/PQ terminology has served its purpose well and is one of many legitimate ways to organize software validation tasks at the user site, this terminology may not be well understood among many software professionals, and it is not used elsewhere in this document. However, both FDA personnel and device manufacturers need to be aware of these differences in terminology as they ask for and provide information regarding software validation."

Google 翻訳:IQ/OQ/PQ の用語はその目的を十分に果たし、ユーザー サイトでソフトウェア検証タスクを整理するための多くの正当な方法の 1 つですが、この用語は多くのソフトウェア プロフェッショナルの間で十分に理解されていない可能性があり、このドキュメントの他の場所では使用されていません。ただし、FDA の担当者とデバイス メーカーの両方が、ソフトウェアの検証に関する情報を求めて提供する際に、これらの用語の違いを認識する必要があります。

「クオリフィケーション」は馴染みがないので、使ってないのですね。CSVすなわち、コンピュータシステムのバリデーションと呼んでいるのは、これが理由です。

EUでは装置のバリデーションと言っていたのが、今は装置のクオリフィケーションと言っています。でもコンピュータシステム(装置)は、今でもバリデーションなんですね。ややこし~~。

ぶっちゃけ「言葉はどうでもいいよ、それがどんなことを言っているのか理解しなさい」みたいに聞こえる文章ですね。

だから私たちも、「PVでもPPQでもいい。その違いがわかって、カバーする範囲が理解できていればどうでもいいよ」ってことです。

自分がいる場所では、みんなが同じ言葉を使いましょう。新人が苦労して外の情報を集めて、イメージが異なることを実行するのは避けたいですね。そのためには、GMP教育訓練のはじめに「当社の用語」を教え伝えることだと思います。(終)