2026年度のFDA Warning Letter 3 — OTCと、それ以外の製剤とでは指摘が違う
2026年度のWarning Letter 126通から原薬を除くと、製剤メーカーに宛てたレターは110通です。これを、OTCに関する69通と、それ以外の41通に分けて比べてみました。
OTCで多かったのは、バリデーション58通(84%)、品質部門の監督42通(61%)、原材料の試験41通(59%)、安定性30通(43%)、出荷試験27通(39%)です。供給業者の成績書をそのまま信じて、受入試験をしていない。安定性試験をしていない。試験をせずに出荷している。GMPの基本的な仕組みがないという指摘が並んでいます。
一方、OTC以外の製剤では、調査が21通(51%)でトップでした。その後にバリデーション19通(46%)、品質部門の監督18通(44%)と続きます。そして、建物・施設が15通(37%)、データインテグリティが14通(34%)でした。安定性はわずかに2通(5%)、原材料の試験も8通(20%)にとどまっています。
この結果を並べると、違いがよく見えてきます。
安定性:OTC 43% / それ以外 5%
原材料の試験:OTC 59% / それ以外 20%
調査:OTC 36% / それ以外 51%
建物・施設:OTC 12% / それ以外 37%
OTC以外の製剤メーカーは、仕組みは持っています。問われているのは、その仕組みが働いているかどうかです。逸脱やOOSが起きたときに原因を突き止めたか。無菌操作の環境は維持されているか。記録は信頼できるか。「ある」ことではなく「機能している」ことを、FDAは見ています。
では、OTCの話は日本には関係がないのでしょうか。私はそうは思えません。2026年度は、日本の企業にも2通発出されました。どちらもOTCに関するものでした。日本では化粧品や医薬部外品として扱われる製品が、米国ではOTC医薬品としてCGMPの対象になることがあります。
一般的に、日焼け止め、薬用ローション、薬用歯みがき、制汗剤などはその代表です。「うちは医薬品メーカーではない」と考えて、米国に輸出している企業の方には、OTCの指摘を一度読んでおくことをお勧めします。自社の製品が対象になるかどうかを判断する材料になるはずです。
トレンドは、会社の業態にあった読み方が必要だと教えてくれています。業態によって、読むべきレターは変わるものですね。
※本稿の数字は、FDAウェブサイトの公開レター(2026年10月4日時点)を、本文の語句と引用条項をもとに機械的に分類・集計したものです。多少の誤差が見込まれます。


