2026年度のFDA Warning Letter 4 — 「バリデーション1位」の中身をみる

2026年度も、指摘の1位はバリデーションでした。もはや不動の感があります。126通のうち84通(67%)で、2025年度の77通(66%)とほぼ同じ割合です。しかし、ひと口にバリデーションと言っても、中身はいくつかに分かれます。そこで、内訳を見てみましょう。

最も多かったのは、供給業者の試験結果のバリデーションで46通(2025年度42通)です。供給業者の試験証明書(COA)の信頼性を確かめないまま受け入れている、という指摘です。ここに変化がみられました。2025年度まで1位を維持していたプロセスバリデーションは40通(同46通)で、順番が入れ替わりました。供給業者の試験結果のバリデーションが上位にあるのは、OTCが依然として半数を超えていることに加え、原材料の管理に対する査察の強化が続いていることの表れではないかと思います。2007〜2008年のグリセリンやヘパリンの問題以降、FDAは供給業者の管理を重く見るようになり、この指摘は長い時間をかけて増えてきました。

増加が目立ったのは、次の三つです。

洗浄バリデーション:14通 → 21通
分析法バリデーション:18通 → 23通
滅菌・培地充填のバリデーション:4通 → 11通
バリデーションが広範囲に見られるようになったと感じます。(コンピュータバリデーションは依然下位ですね。)

滅菌・培地充てん(APST)は、数は少ないものの3倍近くになっています。スモークスタディの不備を指摘されたレターも、6通から10通に増えています。前々回お伝えしたとおり、無菌製剤に関するレターが21通から32通に増えており、それと同じ方向の動きです。

もう一つ、気になる数字があります。受託業者宛てのレターが12通から17通に、製品所有者(委託元)宛てが6通から8通に増えました。FDAはレターの中で、受託業者を製造業者の延長とみなすと繰り返し述べています。しかし、委託しても、責任までは委任できないということです。

こうして指摘の内訳を見ると、「バリデーション」という一つの言葉の下に、セクションをまたがった異なる性格の問題が入っていることが分かります。供給業者の試験証明書への依存は、原材料管理の問題でもあります。培地充てんやスモークスタディは、製造工程における無菌性保証の問題です。受託の問題は、品質部門の監督の問題でもあります。

一概にバリデーションは1位といっても、それはどの領域のバリデーションなのかを見返す必要がありそうです。

※本稿の数字は、FDAウェブサイトの公開レター(2026年10月4日時点)を、本文の語句と引用条項をもとに機械的に分類・集計したものです。多少の誤差が見込まれます。