人とコンピュータ

人ができてコンピュータができないもの。今は殆どない時代なのかもしれない。

GMPの要件では、例えばCGMPの§211.68(c)では、「自動装置が作業をして1人が確認すれば、1人が作業してもう1人が確認する要件を満たすことができる」としている。

これは逆に、「コンピュータが人の作業を確認することはできませんよ」と言っているわけです。もちろん、「コンピュータがコンピュータの作業を確認する」ことは、言うに及ばず言語道断ってことでしょう。

コンピュータに譲れない「人が確認する、判断する」という要件をGMPは堅持している。

あらかじめ定めた者、品質保証部門の(コンピュータではなく、多分)人、製造管理者、諸々のダブルチェックをする第2者。皆んな人です。とりあえず働ける領域がまだある、ホッ。

コンピュータに許されているGMPの確認と判断は、コンピュータ化システムが実施する一連のプロセスの過程で行う確認と判断だけなんですね。たとえば、コンピュータは60℃になったことを確認して、ヒーターをOFFにするという判断をして、それを実施する。これはいさぎよい、たのもしい。

コンピュータにはバリデーションやクオリフィケーションがあって、それは人が判断するよと言われそうですね。これは、実施者が教育訓練を受けて予め定めた人に適格性を評価されるのと同じなので、引き分けかな。

人にできてコンピュータにできないこと。その中に「ヒューマンエラー」がある。

GMPの最大の課題かもしれない。人間頑張れ!