FDA Warning letter:この頃水システムの指摘が目に入る

Warning letterを眺めていると、水システムの指摘が目に入りました。「870CFU/mL」という数字に目が点になってしまった。

今年度のWarning letterの指摘をレビューしたところ、自分ではあまり気にしていなかった米国内のOTC製造施設で、結構水システムの指摘がブームになっているように思います。

そこで、今日は水システムの指摘事項について眺めることにしました。

●WL#: CMS # 586306(2019年11月8日)アメリカの会社
掲載サイト:
https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/ap-deauville-llc-586306-11082019

指摘事項#1

この会社は、OTCのシャンプーを製造しています。そのコンポーネントに水が使われていますが、受託試験機関の水サンプルの試験結果で「870CFU/mL」という結果になりました。この会社の菌数のアクションリミットは伏せ字になっています。ここでOOLという言葉が出てきます。"Out Of Lomit"のことです。

指摘内容は、調査が不十分だったということで、§21 CFR 211.192の違反になっています。OOL結果の調査に失敗したとのみ書かれていて、その内容はわかりません。この水システムではTOCや導電率を含む複数の失敗があったようで、その調査もしていなかったと締めくくっています。

●WL#: CMS #584701(2019年10月28日)アメリカの会社
掲載サイト:
https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/torrent-pharma-inc-584701-10282019

指摘事項#1

この会社は、経口液剤を製造しています。水システムの設計が悪いとダイレクトの指摘です。複数のデッドレグやネジ接続があると言っています。これだけは指摘の対象になりませんが、その結果として微生物の規格に合う水がコンスタントに製造できていないということで指摘につながっています。

その証拠として、Burkholderia cepaciaが装置のリンス水から検出されています。調査の結果、水システムが汚染源になっていたとの結論です。システム内の処理工程の段階と、下流の給水システム〔ループ配管かしらん?〕内もBurkholderia cepaciaの汚染があったようです。

●WL#: CMS 584018(2019年10月24日)アメリカの会社
掲載サイト: https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/msm-nutraceuticals-llc-dba-msm-health-solutions-584018-10242019

指摘事項#2

この会社は、ゲル化剤やスプレイ剤を製造しています。精製水システムのバリデーションが不十分だったと指摘されています。医薬品グレードの精製水を製造するシステムの設計、管理、メンテナンス、モニタリングが効果的であることを証明していませんでした。

2バッチを却下しているのですが、その原因は水であるとしていながら調査をしていないようです。

(..)φ:OTCの水システム、注目してみましょう!