GMPを勉強しよう-88-MHRA データインテグリティのガイダンス 2018年(6.15)その1

6.15 Data review and approval(データのレビューと承認)その1

重要なデータやメタデータ、紙の記録の取り消し線、電子記録の監査証跡など、特定の記録の内容のレビューは、規制要件を満たし、リスクベースで実施されるべきであると言っています。

データのレビューと承認のプロセスを記載した手順書が必要です。

(“..)φ;レビューのSOPとか、記入のSOPとか、日本ではあまり見かけませんが、実はとても重要なSOPとかだと、個人的には思います。

データのレビューは、メタデータ(監査証跡の記録も)をリスクベースでレビューする必要があると言っています。そして、レビューの記録を作成します。記録には、問題があったかどうかの結論と、レビューの日付、レビュー者の署名を含める必要があると言っています。

(“..)φ;SOPには、レビューをする項目と記録する項目を入れておきましょう。

手順書は、データのレビューでエラーや省略が検出された時にとるべき活動を記載しておく必要があります。この手順書は、データの訂正や説明ができるものでなければなりません。それは、ALCOAの原則を使用して、オリジナルの記録の可視性と訂正のトレーサビリティを提供するために行います。

データを生成した組織が、そのデータをレビューしない場合、データのレビューの責任を文書化して、両者で合意しなければならないと言っています。

(“..)φ;試験課でデータを作成しました。試験責任者は、試験記録の結果を確認しましたが、データのレビューはしませんでした。コンピュータの中の監査証跡のレビューをしてなかったら、データのレビューをしたことにはなりませんね。監査証跡と照らして、データが正確で信頼性があるかは、出荷判定前に品質保証でレビューします。と言うような状況が当てはまりそうですね。この場合、データのレビューはどの部門(や責任者)が実施するのかSOPに書いておきなさい。そして、試験課と品質保証でその手順を合意しておきなさいと言っています。合意したことはどのように記録すればよいでしょうか?記録がなければ合意の証拠が残りませんよね。そのSOPを両部門の責任者が承認して署名すればよいですね。

このようなデータのサマリーレポートは委託者と受託者の間で、よく交わされています。しかし、サマリーレポートは重要なサポートデータやメタデータが入っていない可能性があるので、その利用は限られたものになります。

(“..)φ;原文では、ここは単に“summary reports are limited”と言っています。

<つづく>