FDA Warning letter Case #515029(作業の分離、品質監督、試験)
FDAのWarning letterが掲載されました。
今回紹介する警告書の対象会社は、アメリカ ウィスコンシン州のOTC製造施設です。医薬と非医薬の作業の分離、品質監督、試験未実施(というかデータの捏造)が指摘されています。
WL#: Case# 515029
日付:June 29, 2017
発行オフィス: Minneapolis Office
対象会社: ChemRite CoPac, Inc.(アメリカ)
対象品: OTC
査察期間:2016年6月6日~7月15日
回答受理日:2016年8月4日付
CGMP違反:3項目
掲載サイト:
https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm566852.htm
<指摘事項の解説>
1.貴社は、汚染や混同を防ぐために必要な、適切に定義されて分離した区域を持っていなかった(21CFR211.42(c))。
<概要>
貴社は、数種類の口腔リンスや口腔保湿OTC医薬品(商品名伏せ字を含む)を受託生産している。3種類の口腔液剤に使用している同じ装置で、多くの非医薬品(例えばカーケア製品)を製造している。このカーケア製品は、パラフィンベースの製品で、「飲むと有害または死に至る」「子供の手の届かないところに保管」と表示されていた。その他、皮革処理剤なども、OTCと同じ混合タンクと充てんラインを使用していた。
2.貴社は、薬品の各バッチに対して、また必要に応じて好ましくない微生物があってはならない製品に対して、適切な試験実施していない(21CFR211.165(b))。
<概要>
この会社はバッチ記録に Pseudomonas aeruginosaは1CFU/mL未満としていたが、この会社が試験を委託しているラボはPseudomonas aeruginosaの分析報告をしていなかった。
3.貴社は、他社との契約で製造した製品を含めて、原料、容器、栓、中間製品、最終製品の出荷可否の判定に責任と権限を有する適切な品質部門を構築していなかった (21CFR211.22(a))。
他社、特に契約試験機関、との契約により、貴社のために製造された医薬品の監督と管理が不適切だった。例えば、貴社の品質部門は、契約試験機関が実施しているBurkholderia cepaciaの試験法が適切にバリデートされていないことを認識していない。