根っこから学ぶ

「明治以来、日本の知識人は欧米で咲いた花をせっせととり入れてきた。中には根回しをして、根ごと移そうとした試みもないではなかったが、多くは花の咲いている枝を切ってもってきたにすぎない。これではこちらで同じ花を咲かせることは難しい。」 外山滋比古『思考の整理学』筑摩書房

数年前に読んだ本の中に、このようなことが書かれていました。GMPの世界は、欧米に学ぶことがまだまだ多いので、根っこから学ぶ必要があると、大いに納得してしまった文章でした。

GMPに接していると、英語で情報を収集する機会がとても多くなります。翻訳文を読むのは、効率的な情報収集である一方、翻訳者の理解力と表現力によっては、原文が伝えようとしている根っこを汲み取ることができない可能性があります。

例えば、FDAの「OOSのガイダンス」を参考にして、同じように手順を作成したにもかかわらず、いろいろな手順のフローや解釈が見られるのは、理解力と表現力が影響しているからだと思います。

私は、英文のGMP文書を二人で読むことを勧めています。同時に二人いる必要はないのですが、それができればより効果的だと思います。一人は、英語の達者なAさん(GMPの知識は不問)です。もう一人は、GMP、製薬技術、現場作業を熟知したBさん(英語は必要ないが、製薬用語の知識があるとなお良い)です。ちなみに、Bさんは何人いてもいいです。

Aさんが原文を読んで、書かれていることを解釈し、口頭でBさんに説明します。Bさんは、Aさんの説明を聞いてイメージした状況(場面)をAさんに伝えます。二人が納得したら、おそらく正しい解釈なのだと思います。

英語(解釈)が達者で、GMP(保管、製造、品質、設備装置の条文、現場、技術)をよく知っている人がいれば、それが一番です。しかし、そのような人は限られていますので、二人で解釈する方法をお勧めしている次第です。