データインテグリティに関する問題について

データインテグリティの問題が発見されると、かなり早い時点でWarning letterが発行されているように感じます。最近の例では、FDA査察が2016年6月に実施されました。会社側の回答は、期日を守って7月8日に提出されています。そして、Warning letterが発行されたのが11月8日です。回答から4ヶ月で、Warning letterが発行されています。

データインテグリティについては、データの取り扱いに関する根本的な方針を、早急に見直す必要があるかもしれません。そして、データインテグリティに関する手順書を作成し、緊張感を持って対応することが大切ではないでしょうか。というのも、上記の例は日本企業に発行されたWarning letterだからです。

データガバナンスはもちろんのこと、ガバナンスに組み込まれていない品質文化だとか企業倫理も、経営陣の主導で盤石を図る必要があるように感じました。

GMPは悪意があってもなくても、すなわちその違反行為が意図されたものか否かにかかわらず、結果で判断されます。それは、GMPの歴史を省みると、多くの薬害が意図していないGMP違反に起因しているからです。