GMPを勉強しよう-28-QRM-メソッドとツールの決定

QRM-メソッドとツールQRMプロセスの開始段階の手順は、僕の場合「メソッドとツールの決定」が最後です。

品質リスクマネジメントのツールは、FMEAが有名ですが、その他にもいろいろあります。一般に広く知られているいわゆる公式のツールの他にも、自社でアレンジしたような非公式や簡易的なツールを使ってもよいので、柔軟に選択しましょう。

皆さんがすでに行っているもので、もしかしたら気付いていない簡易的なツールもあります。例えば、逸脱の重大性を決めたり、変更管理の重大性を決めるのに何気なく使っている意思決定樹や分類基準も一種のツールですね。

僕の考えたメソッドとツールの選定は、スライドを参照して下さい。

ここでは、ワンポイントの知識として、代表的なツールの応用例をあげておきます。

CED:リスクの洗い出し(思考・発想・連想)
FTA:発生原因の特定、発生確率の算出(最下位の機能の故障発生率)
PHA:発生事象の可能性の特定、危害の定性的評価、改善策の特定(情報が殆どない初期段階で使用)
FMEA:影響の分析、対応策の確認(工程と製品の十分な理解)
FMECA:リスクの最小化の処置(FMEAの追加調査)
HACCP:品質を保証する予防のための工程管理(工程の理解)
HAZOP:発生原因の特定、結果事象の特定(ガイドワード)
RRF:リスクの優先順位付け(特定リスク)

ある程度の知識や経験が必要なFMEAの他に、情報が少ない初期段階で使うPHAや、バリデーションなどで重要パラメータを管理するポイントなどを決めるHACCP、業者監査や自己点検の優先順位を決めるRRFなどは、これから頻繁に使うことになるかもしれません。

手順を作成するポイントは以下の通りです。このようなフローを作って、自社のやり方に合った手順の肉付けをしてみましょう。

1.メソッドとツールの決定
2.ツール選定・簡易化の裁量
3.ツールに適したシートの作成
4.リスク基準の設定
5.リスク基準の説明と修正の裁量
6.ツール等・基準を計画書に記述

この次は、いよいよリスクアセスメントのリスク特定です。やっときたか感がありますね。