FDA Warning letter:320-18-24:(中国)製造記録;試験記録
医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、中国のAPI製造施設です。
CGMP非遵守を指摘され、この製造所での米国向け製品の製造を中止し、製造所を移転したという回答をしています。これは、たまにあることです。より適した施設で製造することによってCGMP遵守を達成する一つの手段です。
結果的に、GMP遵守の是正処置をサポートする証拠を提出しなかったため、指摘された例です。
指摘は、1)製造記録;2)試験記録のデータの保持に関する2項目です。
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●WL#: 320-18-24
日付: 2018年1月9日
発行オフィス: CDER
対象会社: Hunan Norchem Pharmaceutical Co. Ltd(中国)
対象品: API
査察期間:2017年7月24日~28日
回答受理日:2017年8月18日
GMP違反:2項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm591944.htm
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<指摘事項の解説>
1.各中間体とAPIの製造管理記録の作成と使用に不備があった。
品質部門は、20のバッチ記録の保管場所を見つけられませんでした。
この会社は、バッチ記録はなくなっておらず、適切にアーカイブされていると回答しましたが、証拠を提示しなかったので不適切と判断されました。証拠となるのは、バッチ記録のコピーなどです。
また、QA部門は原料の重量が不正確な2バッチを承認しました。これを、職員が手順に従わなかったためで、逸脱に気づかなかったと回答しています。しかし、それは貴社の責任であると指摘されています。
2.APIや中間体が規格を満たすことを保証するために実施した試験の完全なデータを維持していない。
アメリカ向けに出荷されたバッチの、試験の生データを示せませんでした。
この会社の回答には、分析データをバックアップしていなかったと述べられていました。データを精製した機器を、別の場所に送り、そこで職員がデータを削除してしまったとも述べています。これも、生データを保持していなければなりませんので、指摘されたままです。