FDAのWarning letter(320-16-21)水システムの微生物汚染
今日は、前回紹介した警告書(320-16-21 )の指摘事項の2番目「水システムの給水ループにおける微生物の問題」について、まとめました。警告書の情報hあ、以下のとおりです。
■ホームページアップデート日:07/20/2016
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WL#:320-16-21
日付: June 30, 2016
発行オフィス:CDER
対象会社:SmithKline Beecham Limited
対象品:API(ペニシリン)
査察期間:July 2–10, 2015
回答受理日:July 31, 2015
CGMP違反:2項目それぞれ3観察事項
掲載サイト: http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2016/ucm511838.htm
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<指摘事項>
2.重大な逸脱に関する適切な調査とCAPAをおこなっていない。
A) ●水システムの微生物汚染
2014年4月20日〜2015年2月17日にかけて、●ビルディングの給水ループにおける菌数のアラートレベルとアクションレベルを超えた少なくとも25件の調査をしていた。湖の水システムは、●APIの製造にも使用されている。アラートレベルとアクションレベルのいつくかの調査では、バイオフィルムを形成することで知られている水棲菌のBurkholderia cepaciaが同定された。
貴社の調査は、適切な根本原因を突き止めなかった。25件の調査中15件は、サンプリングエラーであると結論づけているが、それを裏付ける証拠がなかった。残りの9件は、根本原因を特定していなかった。査察官は、貴社が●水システムのループを手順にしたがって殺菌しなかったことを観察した。これは、日和見病原体である。
B) ●APIバッチ●のバイオバーデンのOOS
査察官は、3バッチ(伏せ字)が菌数限度を超えていたことを観察した。製品中に、Sphingomonas paucimobilisが●CFU/mL超であった。この菌は●でも検出されたが、生菌数試験に合格したため出荷判定された。
この会社は、調査後に微生物試験で不合格のものを出荷不可としている。しかしFDAは、微生物は均一に発生することは稀なので、残りの出荷された製品が、消費者に対して好ましくない汚染の影響がないとは、必ずしも言い切れないと指摘している。
貴社は回答の中で、高バイオバーデンの根本原因は、●ホールドタイムが長かった(延長された)ためであるとした。しかし、貴社の回答は不適切である。貴社は、最大ホールドタイムを確立していなかった。
C) ●API●中の微粒子の検出
●バッチで発見された微粒子に関する貴社の調査は、以下のことを特定した。
・たわしと同じ緑の繊維
・製造プラントの塗料と同じ赤い微粒子
・ガラス粒子と同じ黒い微粒子
貴社の回答は、根本原因を含んでいないため、不適切である。また、同じ施設の同じ製造装置で製造した他の医薬への影響を評価していなかった。
●製造工程と同じ装置で製造された他の医薬品のリスクアセスメントを提出しなさい。貴施設の物理的状態の評価と、製造装置のクリーニングおよび予防保全の手順を含めなさい。