逸脱発生の前と後、どちらにコストをかけているかな
逸脱発生の後に、原因究明調査を行い、根本原因を洗い出して是正措置をする。ほかにも似たことがありそうなら、内部監査をして潜在的なリスクも洗い出す。そして、予防措置を行う。
ここで大切なのは、原因究明調査であることは共通の認識になっているが、具体的どのように進めていけばいいのかよくわからない。今やっていることを伝えると、外国のパートナーからダメ出しがある。調査の要件は「調査しなさいだけ」で、細かな要件はGMPに規定されていないし、管轄当局が述べていない。どこに業界標準があるのだろうと、迷うこともあるかもしれない。
そこで、逸脱のフォローアップ調査やその後のCAPAは、スポットライトがあたり、主役級の注目を集めることになる。
ちょっと考えてみようということになるかな。逸脱って減らないよね。だから毎年、逸脱処理には手こずっている。逸脱が起こらないことの前提で年間計画が立てられるのかな。大きな逸脱が起きれば、一発で計画のバランスが狂う。かといって、逸脱を前提にした予算を組んだらどんな反応があるだろうか。本来あってはならない逸脱、GMPのルールを遵守していれば(語弊がないように言えば、開発から製造までの全てのGMP要件を満たせば)起きない逸脱に、わざわざ予算をつけてとっても礼儀正行くケアしている。ちょっと変ですよね。「それはないよ」と言われそうだ。
逸脱発生の後は全力でケアしているけど、発生前はなにしているのかな。同じ熱量で、逸脱が発生する原因や発生しないための予防線への投資はされているのかしらん。というのが、今日のひとり言です。