これは深堀りGMPに入らない雑談です

今回は雑談です。文章が支離滅裂で何を言いたいのかわからないと思われるかもしれません。それでいいです。「それね」と思った方はニンマリして忘れてください。

さて、同様の逸脱が再発する場合、何が考えられるでしょうか。私たちは、逸脱が発生したら原因究明をします。そして、その結果をもとに所要の是正措置及び予防措置(CAPA)をとります。それが失敗すると再発が起こります。すなわち、根本原因を取り除くことができなかったわけです。

逸脱の再発は、上記のステップのどちらかが失敗したことを示しています(逸脱の管理=原因究明xCAPA)。原因究明調査が失敗したか、CAPAが失敗したわけです。失敗にはいろいろありますが、ここでは触れずに先に進みます。また、調査とCAPAは深堀りGMPのどこかで触れることになるでしょう。

重大な逸脱の再発は云々と言ってますが、重大でない逸脱でも再発したら「原因究明調査」や「CAPA」を適切に実施できなかったわけですから、再発を繰り返した時点で重大な逸脱に変身すると個人的には思っています。軽微な逸脱だから是正せずに放置しておいてもいいという精神はGMPにはありません。逸脱よりもGMP遵守活動である原因究明やCAPAのできない会社と思われますね。世界はシステム査察です。製品ではなく事業所のGMP遵守に焦点があてられています。GMP遵守に関する重大な逸脱じゃないですか。

逸脱の再発(recurrence)については、GMP省令(逐条解説)では製造手順の妥当性を再検討するために、製品品質の照査を行うことが考慮されています。一方、PIC/S GMPやCGMPではトレンド分析が求められています。その点で、GMP省令の要件というか提案は独特ですね。察するに同じことを言っているんですが、GMP省令のほうがスケールが大きいなと感じました。

PIC/S GMPではどんなことを言っているかというと、「根本原因分析とCAPA」のセクションで、"8.19 Quality defect records should be reviewed and trend analyses should be performed regularly for any indication of specific or recurring problems requiring attention."と言っています。

ちょっとアプローチが違いますね。

ところで、その製品品質照査ですが、実施の方法には2通りあります。"Regular periodic or rolling quality reviews" 決まった間隔で定期的に品質照査を行うか、ローリングで品質照査を行うかです。

“rolling quality review"は、製品品質照査の実施方法の一つです。しかしほとんどの会社が"Regular periodic quality reviews" を採用しています。

ローリングレビューはあまり行われないので耳新しいかもしれませんね。「ローリング」レビューとは、通常、新たに取得したデータまたは試験結果を既存の履歴データセット (またはトレンド) に追加し、その新しいデータと履歴データを比較して、新しいデータが代表的であるか異常であるか、そして新しいデータがトレンドを変化させていないかを判断する方法です。 これは基本的に、新しいデータや試験結果が出たら行う継続的な照査です。

この意味からすると随時に行う照査という訳は少し戸惑いますよね。

企業は1年に1回定期的に照査するか、継続的にローリングで照査するかを選べます。しかし、後者を選択している会社はほとんどありません。

今回は、逸脱の再発に関して、製品品質照査やトレンド分析が期待されているという話でした。