GMPを勉強しようかな?:年次照査は品質部門が実施しなければならないのか?
「当然でしょう」と言いたくなりますよね。「根拠は?」と聞かれて時に、「当然でしょ」とは答えにくいですよね。そこで、実際にGMP要件なのかどうか調べる必要がありますね。GMPやガイダンスを読む必要があります。
FDAのCGMPは、§211.180(e)に要件が載っています。そこには、品質部門が製品年次照査を実施しなければならないとは書かれていません。しかし、品質保証部門が製品年次照査を行うのが、業界標準になっています。
ということで、「CGMPの直接要件ではないが、業界標準です」というのが正解です。
品質(保証)部門は、品質監督の責任を持っていますし、医薬品品質システムの経営陣の責任を果たすための実働部隊です。マネジメントレビューのサポート役でもありますから、自ずと業界標準になってしまいますね。
原薬GMP(ICH Q7)では、品質部門が製品品質照査を実施(performing)することを具体的に述べています。
ですから、こちらは「はい、GMP要件ですから実施しなければなりません」と答えて正解です。
しかし、データを集計しなさいとは言っていません。品質部門が行うのは、あくまでもレビューなんですね。
データの集計は各現場が行って、そのレポートを受け取るほうが効率的ですね。普段そのデータに接している現場の経験知も含めて、教えてもらうのが良いと思います。また、それが業界標準的な実施のしかたでしょう。
どこで線引するか?これもGMPの解釈力にかかっています(“..)φ