FDAのWarning letter(320-16-31) データインテグリティ

Man refusing an offer医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回は、中国のAPI製造施設です。

■ホームページアップデート日:2016年9月21日
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WL#:320-16-31
日付:September 6, 2016
発行オフィス:CDER
対象会社:Hebei Yuxing Bio-Engineering Co. Ltd.
対象品:API
査察期間: 2015年8月17日~21日
回答受理日:2015年9月9日付
CGMP違反:3項目
掲載サイト: http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2016/ucm521098.htm
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情報発信準備の時間短縮のために、翻訳型ではなく、解説型の文章に変更してみました。この方法ですと、原文を読んで、要点を日本語にしてお伝えする作業になりますので、情報発信者としては随分時間短縮になります。しばらく、この方法を続けてみます。

私にとっては効率の良い方法ですが、正しく、詳しく知りたい読者の方には、少し不満足な結果になります。正確に詳細を知るためには、上記掲載サイトの原文をお読み頂きたく、お願いを申し上げます。

<指摘事項>

1.規格と標準に適合することを保証するために実施した試験の完全なデータを含む試験管理記録を持っていない。

品質管理試験室は、貴社のAPI●●の分析の完全なデータを記録して維持しなかった。

ここで、2項目の観察事項をリストしています。

・正式な試験の前に、製品のバッチを用いて「実験的」な分析をしていました。この「実験的」な分析は記録されておらず、除外した正当化も書かれていませんでした。それがわかったのは、HPLCの2404件のインジェクションが、装置の中の「実験」と題されたファイルに入っていたからです。それから、品質部門とマネジメントの説明も異なるものでした。

・分析者が、何回も生データのクロマトグラフを削除していました。中止した試験のファイルを削除したといっていますが、実際のサンプルの試験が完了したものもあったことが監査証跡の内容の調査からわかりました。結局、試験記録と生データの正確性と有効性が保証されていませんでした。

(..)φ;この査察官は、実際の監査証跡の内容をチェックしたということです。

2.試験室管理の手順を守らずに、実施時点で記録せず、手順からの逸脱を文書で説明していなかった。

査察中に提出したクロマトグラムと異なるものを、後にFDAに提出していました。このクロマトは、同じサンプル、装置、日時、バッチに対応していました。これは、査察中に提出したものと同じクロマトグラムでしたが、異なる試験法のファイル、カラムタイプとシリアル番号、システム温度が記載されていたようです。FDAの判断は、査察中に提出されたクロマトグラムと後で提出されたクロマトグラムの両方共、実際に行った分析を代表するものではありませんでした。

3.品質部門は、全ての重大な逸脱が調査されて解決されることを確実にしなかった。

査察を行った時点で、微生物汚染に関する67件の逸脱が記録されていました。これは、2015年の1月から8月までのデータですが、査察報告書によると2013年から微生物汚染の問題が継続して発生しており、解決されていないとのことです。

この会社は、可能性のある原因を以下のように4項目あげていますが、根本原因を特定していませんでした。

・不適切な管理による汚染した●●

・●システムの●タンクの中の●の●の欠陥((..)φ:何のことですか?)

・製造作業員のエラー

・●タンクに仕込む前に原料の保管に使用した予備タンクの不適切な滅菌

(..)φ:可能性がある原因で終わってしまったことで指摘されています。たとえ根本原因が特定できなくても、専門知識や追加試験、因果関係分析などで絞り込んで、裏付けされた最も疑わしい原因を上げておくことが、逸脱調査の対処方法です。