FDA Warning letter(320-19-31):製剤(中国):品質部門(データインテグリティです)

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、中国の製剤製造施設です。

指摘は、1)品質部門に関する1項目です。

WL#:320-19-31

日付: 2019年8月2日

発行オフィス: CDER
対象会社: NingBo Huize Commodity Co., Ltd.(中国)
対象品: 製剤
査察期間:2019年3月18日~22日
回答受理日:2019年4月10日付
GMP違反:1項目
掲載サイト:
https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/ningbo-huize-commodity-co-ltd-581345-08022019

 

<指摘事項の解説>

1.この会社は、コンポーネント、容器、栓、工程内マテリアル、包装表示材料、医薬品の承認または却下の責任と権限を持った適切な品質部門を確立していませんでした。(21 CFR 211.22(a) )

査察中に品質の職員が複数の品質文書を査察官に提出しました。しかし、それはこの査察のために事実を偽装したものでした。査察官は、この文書を不審に思ったため問いただしたところ、マネージャーはそのように回答しました。

改ざんされたのは、クリーニングバリデーションの報告書、バッチ記録、製品年次照査が含まれています。さらに、これだけではありませんが、以下の文書は提出できないとのことでした。

  • 機器の適格性評価(21 CFR 211.63);
  • 原材料の確認とAPIの試験(21 CFR 211.84);
  • 最終製品と原材料の試験の適格性評価(21 CFR 211.165);
  • 医薬品の安定性プログラム(21 CFR 211.166);
  • バッチ記録(21 CFR 211.188); 
  • プロセスバリデーション(21 CFR 211.100)。

この会社の回答にはCGMP文書が提供されていましたが、過去に文書改ざんがあったため、FDAはその有効性を懸念しています。

(..)φ:一度あると重たいですね。

そして、この会社の欠陥を完全にレビューして、包括的な改善策を講じたことを示す証拠がなく、手順なプログラムを実施していることを保証していないという理由で、この回答は不適切であると判断されました。

(..)φ:データインテグリティが一旦疑われると、ハードルが高くなることの事例といえます。