GMPを勉強しよう-78-MHRA データインテグリティのガイダンス 2018年(6.8)

Data transfer / migration(データの転送/移行)

データトランスファとデータマイグレーションの2つの用語の定義が出ています。日本語で書くとややこしくなりますね。転送と移行の差はどこか確かめてみましょう。

データ転送(data transfer)とは、異なるデータストレージタイプ、フォーマット、コンピュータ化システム間でデータを転送するプロセスと定義されています。

データ移行(data migration)とは、格納されたデータを1つの永続的な保管場所から別の保管場所に移動するプロセスと定義されています。これは、内容や意味を変えずにデータのフォーマットを変更することも含まれます。

(“..)φ;転送と移行はともにデータが移動するわけですが、前者はある場所から他の場所にデータを送るのですが、その結果両方の場所にデータが存在することをイメージするとよいとでしょう。後者はある場所から他の場所にデータを移し替えるので、その結果他の場所にのみデータが存在すること、または実務的なデータは他の場所のものだけということだと思います。即ち、前者はコピーアンドペーストで、後者はカットアンドペーストのようなイメージでしょうか?後者は、移し替えるために、データのフォーマットを変更することもあります。

さて、これから解釈です。

データ転送は、ストレージ媒体タイプやコンピュータ化システム間でデータとメタデータを転送するプロセスです。データ移行は、必要に応じて、代替コンピュータ化システムで使用可能または表示可能にするためにデータのフォーマットを変更することができます。

データ転送/移行の手順は論理的根拠を含み、データのライフサイクルにおいてデータインテグリティを維持していることを保証するために、堅牢な設計をしてバリデートされるべきです。データの生成、転送、保管の各段階で、データフォーマットと変更について慎重に検討してくださいと言っています。データの移行は、よく過小評価されてしまいます。特に、移行したデータの完全な意味を維持することに関して注意してください。

データ転送はバリデートしなければなりません。ワークシートや他のアプリケーションに転送中およびその後に、データが変化しないようにしなければなりません。そのため、転送プロセスの監査証跡が必要になります。操作中にデータが正しく転送されない場合は、適切な品質手順に従うべきです。ミドルウェアの変更は、適切な品質管理システムによって管理する必要があります。

紙の記録のように自動化で使用する電子ワークシートは、バージョン管理すべきです。ワークシートの変更は、適切に文書化され/検証されるべきであると言っています。