MHRAの非通知査察について

投稿者: | 2018年1月10日

MHRA Inspectrateのブログで、GMPの非通知査察や短期通知査察(2-3日前に予告)について書かれていました。昨年6月のPart1の続きとして書かれています。

ちなみに、MHRAでは通常1ヶ月前までには通知するそうです。Part1では査察官のいろいろな状況、現場の観察結果等によって、査察スケジュールはずれたり、突然取りやめになることもあると言っています。これを補完するために、時間的な制約などで非通知査察や短期通知査察が行われることがあるといっています。

無通知や短期通知は、理由(Part1参照)があって実施しだしたのですが、これからより頻繁に行われると言っています。

日本でも非通知査察が実行されていますね。そこで、MHRAから背景を学ぶのも良いかなと思いましたので、記事にしておきます。

この査察アプローチは、リスクファクタが増えたためだとして、その例をあげています。すなわち、患者さんの安全の問題、GMPの重大な違反、犯罪行為の疑いです。

輸入に際して、先方がライセンスホルダーであるかなどの問い合わせがあると、短期通知で査察することがよくあるそうです。

また、会社の元従業員から、不正に対する内部告発のような電子メールを受信した例をあげています。これに関しては、GMP要件を誤解している例もありますが、査察の結果、規制措置を行った例もあるとのことです。もし疑いが持たれるなら、できれば連絡してほしいとMHRAは思っているようです。

短期通知や非通知査察の理由は、色々あるとのことです。しかし、このような査察が行われることを、警戒するのではなく、知っておいてほしいというように締めくくっています。

MHRAの非通知査察は、日本においては非現実的です。海外査察を非通知でという例は、私は聞いたことがありません。

ある人が、「会社が計画的に改ざんしていたら、非通知査察をしても見つけられないだろう」と言っていました。もちろん、その会社がGMPを熟知していて、その裏をかくように計画的に改ざんしていたらのことです。

しかし、上記のような電子メールを受信すれば、そこに焦点をあてて徹底的に調べることができるので、ちょっとしたほころびを見つけて規制措置を行うことができるでしょう。

GMP要件を知っていた、知らなかったにかかわらず、現場で品質ベースで考えて活動するような品質文化の醸成が必要だと思います。残念ながら、製薬領域では「品質文化を醸成することで、このようになる」という文章はよく見かけますが、「品質文化をこのように醸成する」といった文章は、あまり見かけません。

品質文化の醸成方法については、医療機関、サービス業、他の製造業などから学ぶとよいと思います。大きな壁ですが、そこを打ち破って行けるといいですね。

品質文化については、またどこかで書きたいと思います…(^^)/

<参考>
2018/1/9 https://mhrainspectorate.blog.gov.uk/2018/01/09/an-inspector-calls-part-2-gmp-short-notice-and-unannounced-inspections-cont/