EUのガイダンス(バイオ医薬品の出発物質等の使用について)20130627

2013年6月27日に委員会が承認し、12月1日に発効を予定しているEUのドラフトガイダンスがある。題名は、

Guideline on the use of starting materials and intermediates collected from different sources in the manufacturing of non-recombinant biological medicinal products

日本語で「非組換バイオ医薬品の製造におけることなる供給源の出発物質および中間体の使用に関するガイダンス」とした。

このガイダンスは、以下のアドレスからダウンロードできる。
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Scientific_guideline/2013/07/WC500145739.pd


このガイダンスは、例えばヘパリン、ゴナドトロピン、ウロキナーゼなど生物由来の「生物学的医薬品」に関する出発物質や中間体の位置づけなどを明確にしている。

まず、このような製品は製造工程や供給源が組み換え製品に比べて変化しやすいこと、出発物質の定義が業界と規則で異なること、そのため申請の初期製造ステップの記述レベルが異なることなどの問題を提起している。

その後、適用範囲について少し詳細な記述がある。動物や植物の器官、組織、液体から抽出された活性物質を含む非組換生物学的医薬品に適用するもので、これらの製品の出発物質の定義を述べている。「出発物質は、微生物、植物や動物由来の器官と組織、ヒトや動物由来の細胞や(血液や血漿を含む)液体、バイオテクノロジー細胞構造(プライマリーセルを含む細胞基質、組み換え非組み換えとも)など、生物由来のあらゆる物質を意味する」とDir. 2001/83/ECから引用していた。ということで、豚の腸管粘膜(pooled porcine intestinal mucosae)は、ヘパリンやLMMH の出発物質であると定義している。

尿由来製品(例えば、ウロキナーゼ、ゴナドトロピン)では、ヒトの尿は出発物質と定義している。また、レジン吸着ウロキナーゼ、ウロキナーゼペースト、半精製ウロキナーゼは工程中間体となる。(ヘパリンも同様の考え方で説明しているが、ここでは省略した)

最後に、異なる製造工程を介して製造される出発物質や中間体に関するGMPの側面からのポイントを述べている。

出発物質の収集、試験、前処理の初期段階は、中間製品を単離するために異なる供給者が異なる工程で実施する可能性がある。同じ出発物質でも異なる製造工程を用いる可能性のある中間体は、次の側面から十分明確にすべきであるとして、以下のようなポイントをあげている。

各中間製品に対して、出発物質(例えば、粘膜、尿)の供給からはじまる製造工程の情報を提供すること。その情報は、重要品質特性と重要工程パラメータ、供給のトレーサビリティと販売所有者による工程の監督に重点をおいて、工程の段階に応じた十分なものであることとしている。

品質特性(純度プロファイル、生物学的活性)は、有効成分の製造業者が明確にすべきである。しかし、もし重要な品質特性の明確化が中間体の段階で困難な場合、製造工程の後の段階で試験を行ってもよいとしている。

GMPの手法(例えば、出発物質や中間体の供給業者と医薬品の製造業者の契約、監査システムなど)は、異なる供給者から出発物質や中間体の供給がある間、適切な管理を保証できるものでなければならない。そして、それぞれのGMPの責任は、品質契約に明確に規定しておく必要がある。

(“..)φ:だいたいこのようなことが書いてあった。上記の内容は部分的なもので、このガイダンスの日本語の概要は配信サービスできないのでm(__)m、このような製品に関心のある方は原文を読んでみてください。

(“..)φ:また、この内容に関連するドラフトガイダンス「粗ヘパリンの品質モニタリング」が、同時期にFDAから出ている。

Guidance-Heparin for Drug and Medical Device Use-Monitoring Crude Heparin for Quality_201306

こちらのガイダンスのターゲットは”OSCS”(過硫酸化コンドロイチン硫酸)で、最終的に反芻動物の粘膜由来の粗ヘパリンは(申請承認されていない限り)、全て使用を却下するという内容だ。行う試験は、粗ヘパリンの種の起源(どの動物か)、OSCSの試験、製造業者・再包装業者・供給業者とその役割の特定、同一性や純度などである。