EUとFDAがMRAの運用段階に入りました
EUとFDAがMRAの運用段階に入りました。2017年11月1日から、EUの一部の国とFDAとがGMP査察のMRA(Mutual Recognition Agreement:相互承認協定)を開始しました。
現在のところ人用医薬品が対象で、対象国の査察機関はオーストリア(AGES)、クロアチア(HALMED)、フランス(ANSM)、イタリア(AIFA)、マルタ(MAM)、スペイン(AEMPS)、スウェーデン(MPA)、イギリス(MHRA)です。その他の加盟国は、FDAの個別の評価が完了したら、追加されることになります。全てのEU加盟国とFDAのMRAの締結は、2019年7月までを目処にしています。
動物薬は2019年7月、ワクチンと血漿由来製品は2022年7月までに対象とする予定です。
このGMP査察のMRAによって浮いた資源は、EUおよびFDAに輸出している製品の製造国への査察に割り当てられるようです。
個人的な想像ですが、インド、中国、さらに日本へのEMAおよびFDA査察が増えるのではないか?と感じます。日本への査察が増加しないまでも、インドや中国にある日本企業の関連製造拠点、原薬や添加剤の供給業者へのEU、FDAの査察は、日本企業に対して間接的な影響を与えるものと思われます。
…来年の動向を注意深く見ていく必要がありそうですね。
参考:Blog MHRA Inspectrate,
EU-FDA mutual recognition of inspections of medicines manufacturers enters operational phase