FDAのWarning letter(チェコとイスラエルの会社)データインテグリティ
FDAのWarning letterが2通掲載されました。一社は、チェコの原薬と製剤を製造している会社です。もう一社は、イスラエルの無菌製剤を製造している会社です。後者の方が興味があるかもしれませんが、今回は前者のEmpower-2システムに関連したデータインテグリティの指摘とFDAの期待について概略を書き、後者は情報だけとしました。
今回紹介する対象会社は、チェコのAPIおよび最終製品の製造施設です。データインテグリティの問題がAPIと最終製品の両方にありました。
WL#:320-17-02
日付:October 18, 2016
発行オフィス:CDER
対象会社:Interpharm Praha A.S.
対象品: API、製剤
査察期間:October 12〜16, 2015
回答受理日:November 6, 2015
CGMP違反:API:2項目、最終製品:2項目
掲載サイト:http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2016/ucm525748.htm
<指摘の概要>
APIの逸脱
1.未許可のアクセスやデータの変更、データの操作や欠落を防止する管理をしなかった。
品質部門には、電子的に保管されている試験データの変更を防止する基本的な管理システムがない。分析者は、クロマトグラフィーのデータを精製・分析に使用するEmpower-2システムのユーザー特権を持っていた。これは、不合格、異常、望まない結果を通知なしに削除できる;ピークのエリアを変更できる;許可なくサンプルの追加やシーケンスからの削除ができる。
8906件の入力があったEmpaower-2 システムの監査証跡をレビューしたところ、過半数がデータの削除や操作を示していた。少なくとも、1441件は結果が削除されており、3643件はマニュアルの解析が行われていた。サンプル一式の試験を変更していたものが、少なくとも194件あった。
貴社は、これらの行為がデータ処理中一般的に行われていたことを認めた。しかし、その要件や使用者に対する制限のレベルを示す手順書を持っていなかった。
貴社の回答によると、Empower-2システムのアクセスと許可を制限した。しかし、貴社が実施した特定の管理が、どのようにデータの削除や変更を防止するのかを明らかにしていない。また、これらの許可が文書化されていること、実施されていること、守られていることを保証する方法を示していない。最後にこれらの管理が、バッチの出荷判定や他の品質レビューの判定に信じて使用された記録が、完全で正確であることをどのように保証するのかを示していなかった。
次の対象会社は、イスラエルの無菌製剤の製造施設です。指摘事項が7項目あり、長文の警告書です。
WL#:320-17-01
日付:October 13, 2016
発行オフィス:CDER
対象会社:Teva Pharmaceutical Works Pvt. Ltd.
対象品: 最終製品(無菌製剤)
査察期間:January 21 〜 29, 2016.
回答受理日:February 22, 2016
CGMP違反:7項目
掲載サイト: http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2016/ucm525640.htm