GMPを勉強しよう-46-用語を統一するのは難しい

おしょくじくん

最近、装置の「バリデーション」という用語が、装置の「クオリフィケーション」に改まった。日本語で「適格性評価」と言うのか、「適格性確認」と言うのかわからない。多分、装置を「評価しよう」という場面もあれば、よし「確認しよう」という場面もあるのだろう。どちらも訳した人の思いが込められた日本語訳なんだろうと思う。

僕は、あまり用語にこだわらない。意味が理解できれば、いいかなと思う。どうせ正解なんてないんだから…いやいや、あるかもしれない(汗)。正解に関心がないのかな…?正解を探すより、前に進みたい派かな。

確かにGMPを習い始めた頃は、用語や表現にこだわっていた時期があった。しかし、今は「どうでもいいんじゃない」という心境だ。それより、日本語まともに書けないもんな〜と、この歳になってもお馬鹿な自分をふりかえると、仕事部屋の隅で体育座りしたくなる心境だ。…こんな暗い話題じゃなかったんだけど、今日の話題。 

閑話休題。昔々、僕は”facility”という言葉を「施設」と訳していた。だから、米国のシステム査察の”facilities and equipment system”も「施設と設備装置システム」と訳していた。ところが、システム査察が注目されだした頃、「設備と装置システム」という言葉が一般的になったので、それからは僕も”facility”=「設備」という言葉を使っている。

エンジニアリング会社の方と話しをすると、”facility”=「施設」なので、なんだか懐かしい、ノスタルジーを感じる。 

さて、そのノスタルジーをまた感じてしまった。PIC/S GMPの日本語訳(正式版と言っていいのかな)を調べてみると、そこに使われている用語の訳は、こんな感じだった。章によって訳が異なるので、複数の方が翻訳したのかな? 

“premise”=構内、建物、施設、設備。
“facility”=設備、業者、施設。
“equipment”=装置、設備。

いずれにしろ、用語の統一は難しそうだ。だから、言葉はどうでもいいとして(1つの用語に統一するのではなくて)、イメージだけはしっかり持っておいたらどうかと思う。イメージは、統一しておかないとGMPの解釈が、とほほ…、みたいな感じになってしまう。

僕が尊敬している人から、「これ、わかりやすくていいよ」と言われたので、自作のイメージ載せておきます。

premise

 工場の敷地を含む全体(付帯設備を含む)がpremise、建物だけだとbuilding、空調室はシステムと部屋と空間も含めてfacility,その部屋に設置されているコンプレッサーはequipmentだと個人的にはイメージしている。

GMPの解釈上のことで、外人に「”premise”をどのようにイメージすればよいか」と、かなり前に聞いたことがある。その時に、相手はちょっと困った顔をした。僕に説明しても、わかってくれるかな?とか、日本人に説明するのは難しいな、という顔だと思う。ちょっと間をあけて言った言葉が、「一言でいれば、アドレスのようなもの」だった。それが、今の僕のイメージになっている。ただし、GMPの範囲内でという条件付きだ。