GMPを勉強しよう-17-解らないところが分からない品質リスクマネジメント

「ICH Q9を読んでみると、書いてあることは理解できるが、実際にやってみるとうまくいかない」と感じた人はいませんか?

「解らないところ」が分からないと、これ以上進みようがない。品質リスクマネジメントの勉強は、「解らないところが分かった」ところから出発だよね。「なぜここが解らなかったのか?」を探っていくと、コツが見えてくるんじゃないかな。…口語過ぎるかな…

Q9がわからない

品質リスクマネジメントは、ものにするのに悪戦苦闘したので、思い出に残る勉強となった。

昨年、本を閉じ、ペンを置くまで、長い道のりだった。途中で何度止めようと思ったことか(左上のスライド見てね)…GMPコンサルタントとしては「ここまででいいな」と思うゴール、(表現しにくいが)「ああ、これだ」というところまで来るのに、長い時間かかった。

こんなに勉強したGMPの各論もないものだ!いや~、勉強しました。何百時間も(大げさじゃないんです)。とにかく、品質リスクマネジメントは情報がない。…というか素人が理解するには、情報が要約されすぎている。要約された文章を分解して因子を抽出できないんだ。「品質」という新しい領域なので、仕方ないんだけど…。

そのうえ、「品質リスクマネジメント」は他のリスクマネジメントの下流というか、延長線上にある。例えば、機械・設計、労働・安全、事業継続(これは品質の下流にも位置する)など。他のリスクマネジメントの知識があると、アプローチの途中で混同してしまう可能性も否定できない。それは、機械やシステムの設計が製品の品質に直結しているからだろう。話が長くなってはいけない。閑話休題。

そんなわけで、「品質リスクマネジメント」はいざ実践してみると、「解らないところが分からない」、「何となく変な感じ」、「しっくりいかない」と感じることになる。これが僕の感想だ。

ここで、一つ種明かし。

「品質リスクマネジメントプロセス」という、リスクマネジメントでおなじみのフローチャートがある。各ステップを指さして、ここで何をするのか、具体的に言ってみよう。

抽象的または概略しか言えなかったら、そこがあなたの「解らないところ」…かな。…ここから長いですよ。ここの手順を具体的に書けるようになったら、品質リスクマネジメントはものにできたも同然だ。

「ICH Q9を読んでみると、書いてあることは理解できるが、実際にやってみるとうまくいかない」と感じた人。そのような方のために、自分が勉強してきた体験談のようなものをメールマガジンに書いてみようと思う。

僕は仕事がら、品質リスクマネジメントの説明や、手順書・報告書といった文書のレビューをおこなう機会は、これからもあるかもしれない。しかし、手探りで勉強して得たコツを話す機会はあまりないと思う。だから、メルマガに書こうかなと考えた。

このブログでもいいのかな?… ブログは、時系列配列なので、続き物には向かないな…ということで、メルマガに決定!いつから掲載するかは決めていないが、ネタはあるので来月にはスタートして、年末までに脱稿しようと思う。

メールマガジンは、テキスト形式で配信しているため、説明に必要な図表などは、ホームページにペタペタ貼り付けることになるかもしれない。

とりあえず、こんなスライドを貼ってみた(今年の2月に埼玉県、9月に静岡県の業界の講演会でお話しさせていただいた「品質リスクマネジメントに取り組むための提案」から)。

QRM-開始

ちなみに、「プロセスの開始」段階は、この他に「チームの編成」、「対象の絞り込み」、「ハザードリストの作成」、「ツールとメソッドの決定」、「リスク基準の設定」の手順がある。そこからはじめて「リスク特定」に進むことになる。

原稿はメールマガジンに書くけど、ブログにスライドと要点(POPかな?)だけ貼っておこうかな。