FDA Warning letter(320-18-25):香港のOTC:1)品質管理部門(QCU)の責任と手順;2)原料の確認試験;3)プロセスバリデーション;4)校正
医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、香港のOTC医薬品製造施設です。指摘は、1)品質管理部門(QCU)の責任と手順;2)原料の確認試験;3)プロセスバリデーション;4)校正の4件です。
WL#: 320-18-25
日付:2018年1月11日
発行オフィス: CDER
対象会社: Wong Lap Kwong Medicine Company Limited(香港)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2017年9月18日~18日
回答受理日:2017年10月13日
GMP違反:4項目
掲載サイト: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm592846.htm
<指摘事項の解説>
1.品質管理部門(QCU)に適用する責任と手順を適切に作成していない。(21 CFR 211.22(d))
貴社は、多岐にわたって適切な手順書を作成しなかったとして、次の手順をリストしています:
苦情;回収;年次製品照査;OOSや逸脱調査;変更管理;CGMP関連トレーニング;バッチ記録の発行;バッチ記録照査の文書化;クリーニング;保管条件。
(“..)φ:バッチ記録の照査に関する記録は、日本の製造業者ではすこし弱いように、個人的に感じています。
2.様々な供給業者からのAPIや添加剤を含む、原料の確認実施を保証していなかった。(21 CFR 211.84(d)(1) and (2))
OTC医薬品のAPIの確認試験をしていない。また、供給業者のCOAを信頼する前に、供給業者をクオリファイしなかった。
(“..)φ:この文章(原文)の書き方は、私達読み手にCGMP解釈上の誤解を与える可能性がありますので、注意しましょう。COAのバリデーションではなく、供給業者(を選定するとき)のクオリフィケーションもしていないということで、直前の文章とは連結性はありません。
3.医薬品の品質を保証するために計画された製造及び工程管理の手順書を確立しなかった。(21 CFR 211.100(a))
(“..)φ:ここでの指摘は、プロセスバリデーションの実施時に、バッチ内およびバッチ間の変動を検討していなかったか、モニタリング(試験)のサンプリングをしていなかったように受け取れます。ちなみに、原文は” …acceptable quality by minimizing inter- and intra-batch variability.”と記述しています。
4.製造に使用する装置の定期的な校正、調査、点検をしなかった。(21 CFR 211.68(a))
(“..)φ:タンクの内容量を測定するためかな?…天秤のキャリブレーションをしていなかったと書かれています。原文は” You have not calibrated your weighing scales, nor the (b)(4) and (b)(4) mechanisms in your (b)(4) tank and (b)(4) tank.”です。