FDA Warning letter(320-18-06)インドの会社:ホールドタイムとOOS調査
医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。今回の対象会社は、インドの固形製剤製造施設です。Lupin GoaとLupin Indoleの2箇所の製造施設をまとめて警告書が発行されました。
両工場ともにOOSの調査不十分、バルクのホールドタイムが指摘項目でした。
WL#: 320-18-06
日付: 2017年11月6日
発行オフィス: CDER
対象会社: Lupin Limited(インド)
対象品: 固形製剤
査察期間:2017年3月27日~4月7日
回答受理日:2017年4月28日、2017年6月7日
CGMP違反:各製造所2項目計4項目
掲載サイト:
https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm584699.htm
<指摘事項の解説>
LUPIN GOA
1.バッチや原料の規格との不一致について、徹底的に調査していなかった。(21 CFR 211.192)
貴社は、潜在的な製造上の問題に対する十分な調査をせずに、OOS結果を頻繁に無効にしていた。
A: 分析の失敗
APIの分析試験を実施において、OOS試験結果を複数の再試験結果と比較して無効にしていた。はじめの再試験結果は、●~●%の範囲であった。これらの結果は、新たにサンプルを調製して試験した●%を含んでいた。
第二分析者は、新たなサンプルを試験し●~●%の結果を得た。その後、試験をもう一度おこなった。最後のサンプルは、顕著な違う分析結果を得た。
貴社の調査は、元のOOS値に近い複数の値を得たにもかかわらず、元のOOSの結果を外れ値として、再試験の結果を最終結果として報告することとした。調査は根本原因の特定に失敗したが、貴社の供給業者の評価をせず、バッチの出荷するために結果の平均値を報告した。
(“..)φ:FDAは「これは、外れ値試験に当たらない」とコメントしています。
B: 含量均一性の失敗
貴社の混合均一性のOOS結果の調査は不適切である。このバッチで、個別の2ユニットと許容値が、OOSであった。
OOS結果のはじめの評価で、分析社のラボエラーの証拠を発見できなかった。保存溶液と再ソニケートしたサンプルの再試験は、元のOOS結果と一貫性があり、不適切な超音波処理と希釈エラーを根本原因として排除した。この調査は、割り当てるべき原因を証明しないまま、分析者の不適切なシャフトのクリーニングを「可能性のある試験室エラー」とした。
(“..)φ:続いてFDAは「調査は試験室エラーの証拠を結論づけていないので、可能性のある製造の原因を調査しなければならない」とコメントしています。
2.貴社は、医薬品の品質を保証するための、各製造段階の適切な完了期限を設定していない。 (21 CFR 211.111)
固体剤の製造に使用したバルクは、適切なホールドタイムの調査や科学的正当化なしに、商業バッチ製造中に過度な期間保管されていた。例えば、多くの場合、複数の医薬品用のバルクは、●より長く保管されていた。
(“..)φ:さらにFDAは、「これらの過度のホールドタイムをサポートすることを意図した調査は、保管条件が実際の作業を代表していないので不適切である」とコメントしています。