2026年度のFDA Warning Letter 2 — 警告を受けた企業を、国別・業態別に見る

前回のブログで、「指摘の中身が変わったというより、警告される顔ぶれが変わったのではないか」と書きました。今回は、その顔ぶれを見てみます。対象は製剤・OTC・原薬メーカー宛ての126通(2025年度116通)で、数字は暫定です。

まず目につくのは、米国企業の増加です。2025年度の49通(42%)から65通(52%)に増え、外国企業の61通(48%)を上回りました。2025年度は外国企業が67通(58%)で多数でしたから、逆転したことになります。

外国企業の中身も変わりました。中国が25通から12通へと半減し、インドは19通から21通でほぼ横ばい。国別の1位が中国からインドに入れ替わりました。3位以下はカナダ4通、ドイツ3通と続き、日本も2通ありました。2025年度は、日本に宛てたレターはゼロでした。

輸入警告(Import Alert)に言及したレターは、外国企業の63%(42通)から52%(32通)に減少しました。

製品の種類では、OTCに関するレターが79通(68%)から69通(55%)に減り、無菌製剤に関するレターが21通(18%)から32通(25%)に増えています。

なぜ、こうなったのでしょうか。これは、レターの文面からは分かりません。Warning Letterは査察から数か月から1年ほど遅れて出ることが多いと言われているので、2026年度の数字は、主に1年ほど前の査察の結果を反映しているはずです。FDAがその時期にどこへ査察に入ったか、どの分野に力を入れたかが、顔ぶれに表れているのだろうと思います。

一つ言えることは、Warning Letterは中国やインド、およびOTCメーカーの話という見方は、2026年度の数字には当てはまらないということです。半数以上が米国企業で、4通に1通が無菌製剤に関わるものです。そして日本にも2通発出されています。

これは、個人的な単なる想像ですが、無菌製剤の増加はEU GMP ANNEX 1の刺激を受けたかな?などと、いい加減なことをふと思った瞬間がありました。

それはさておき、宛先が変われば、指摘の傾向も変わります。全体の順位表を見るときは、「誰に宛てたレターの集計なのか」を一緒に見ることが大切だと、改めて感じました。

OTCか、その他の製剤か、無菌製剤か、APIか、このあたりも一緒に分析しないと、数字が意味を持たないかもしれません。トレンドを分析する時、あるいはトレンドの記事を読む時は、業態もよく見ておく必要があると思います。

※本稿の数字は、FDAウェブサイトの公開レター(2026年10月4日時点)を、本文の語句と引用条項をもとに機械的に分類・集計したものです。国は宛先の住所によります。多少の誤差が見込まれます。