GMPを勉強しよう-改正GMP省令
ご無沙汰しました。他の件に集中していたので、引きこもりがちでした。省令については進んでいません。皆さんからだいぶ遅れてしまったように思います。追いつけるかな?
テンプレートの件ですが、はじめに作ったものは問題が出てきそうなのでやめました。省令を解釈するには実用的でないように思えたのです。その問題については、今ここでは触れません。
テンプレートは作っておいたほうが良いと思うので、省令に特化したテンプレート案を考えました。その説明だけさせてください。
テンプレートは2種類作りましょうと言いました。
- GMP省令解釈テンプレート → 公文書に書かれた関連情報のみを入れる様式
- GMP省令実現化テンプレート →どのように実践するか、自分(組織)が解釈のテンプレートから推論した自分(組織)の考えと実践のための工夫を具体的に書き入れる様式
解釈テンプレートだけですと、作成した人がいなくなったら組織内の知識が失われる可能性があります。そうしないために、実現化テンプレートを作っておくと良いと思います。これらの文書が、組織の知識管理に役立ちます。
解釈はルールブックです。実現化テンプレートは手引書、指南書です。
■解釈のテンプレートについて
一番上に条文を記載します。実際にはコピー&ペーストですね。
省令の条文だけでは、具体的な内容が読み取れないため、それを補う必要があります。
条文解釈を補う文書は施行通知、事例集、指針、PIC/S GMP、業界の発行文書など色々ありますが、ここでは条文の解説までにとどめたいと思います。この部分を「直接要件」とします。
そこで改正省令には、逐条解説を補足として使います。全文ペーストすると、冗長な文章になりますので、条文が不明瞭なところを補うように「キーワード的」に書き込むとよいでしょう。条文の中にカッコ書きで入れたいのですが(本心は両方を合成して、口語体で書きたい)、それだとカッコが多すぎて読みにくくなります。ですから、短文の箇条書きにしてはいかがでしょうか。
例えばこんな感じです。
(逸脱の管理)
1逸脱の内容を記録するとともに、逸脱したことによる影響を調査し、その結果について品質保証に係る業務を担当する組織に対して文書により報告し、確認を受けること。
- 逸脱とは期待される状態を保たない場合。逐条解説①
これじゃ不安だという方は、ちょっと追加するとより理解しやすくなります。
- 逸脱は期待される状態を保たない場合。逐条解説①
- 「製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法に期待される状態」逐条解説①
- 「構造設備、手順、工程等からの逸脱が生じた場合」逐条解説(1)
逸脱は手順から外れたときだけではないことが分かりました。機械が故障したら逸脱ですね。
これで逸脱の適用範囲は明確になりました。
しかし、「影響を調査って何の影響?」と思いますよね。もしかしたら、「すべての逸脱?どこまで?」と改めて聞きたくなる人もいるかも知れません。