FDA Warning letter(Case # 577583):OTC(アメリカ):調査;水システムの設計;クリーニング;安定性試験
今回の対象会社は、アメリカのOTC製造施設です。
この会社は2010年~2017年の過去4回の査察で類似のCGMP違反が見られています。
指摘は、1)調査; 2)水システムの設計; 3)クリーニング; 4)安定性試験に関する4項目です。
WL#: Case # 577583
日付: 2019年8月1日
発行オフィス: Office of Pharmaceutical Quality Operations, Division II
対象会社: TG United, Inc.(アメリカ)
対象品: OTC医薬品
査察期間:2018年12月17日~2019年2月15日
回答受理日:2019年3月8日付
GMP違反:項目
掲載サイト:
https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/tg-united-inc-577583-08012019
<指摘事項の解説>
1.バッチの説明のつかない出来事に関する徹底した調査が行われていませんでした(21 CFR 211.192)。
具体的にはOOS試験結果と水システムのモニターの失敗に関する調査のシステムが不適切でした。
純度が規格外となった水システムに関して、根本原因と再発防止の是正措置も含めて、調査をしていませんでした。
安定性、最終製品、原料の試験のOOS結果を十分に調査していませんでした。2017年6月20日から2018年9月25日の間に行われた調査は、39件のうち14件が査察の時点で終了していませんでした。
(..)φ:査察は2018年12月から翌年2月まで、2ヶ月間に渡っています。逆算すると、オープンのままの調査は3~5ヶ月以上かかっているということになります。
2.装置が適切に設計されて配置されていませんでした(21 CFR 211.63 )。
具体的には水システムです。この水は、製造用水および洗浄用水として使用されています。適切なサンプリングが行われていませんでした。
TOCと比抵抗(registivity:導電率の逆数)が規格外になっているものがありました。さらに、消毒の効果を確認する研究をしていませんでした。
3.装置の洗浄とメンテンナスを適切に行なっていませんでした(21 CFR 211.67(a)。
具体的には、クリーニングの適切性を保証していませんでした。適切性の判断を、リンス水のTOC試験で行っていました。また、複数の医薬品に共有されているホースや器具の洗浄の適切性を保証する試験もしていませんでした。
4.安定性の試験プログラムに従っていませんでした(21 CFR 211.166(a))。
分解物を含む不純物の試験法のバリデーションが出来ていませんでした。