FDA Warning letter:受託試験施設(アメリカ):試験法;試験記録(GDocP);監査証跡とアクセス管理(DI);保守校正

投稿者: | 2019年6月20日

医薬品GMPに関するFDAのWarning letterを紹介します。

あまり警告書では見られない微生物試験の問題が出ていましたので、紹介します。かなり前に、APIの微生物試験で好ましくない菌がマスキングされて合格判定された結果、複数の製剤で社会問題になったことがありました。その記事を思い出してしまいました。

今回の対象会社は、アメリカの契約試験施設です。

前回の査察(2012年3月12-16日)でも指摘されていることが繰り返えされていたことで、経営陣の監督不足が指摘されています。

契約試験施設の責任について、以下のように述べています。

FDAは契約業者を製造業者の施設の拡張と見なしています。CGMPを遵守しなかった場合、製造業者の医薬品の品質、安全性有効性に影響を与えるかもしれません。CGMPを完全に遵守して運営する責任を理解し、OOSの結果や試験中に発生した重大な問題をクライアントに知らせることが重要です。

指摘は、1)試験法; 2)試験記録(GDocP); 3)監査証跡とアクセス管理(DI); 4)保守校正に関する4項目です。

WL#:NA

日付: June 4, 2019
発行オフィス: CA地区オフィス
対象会社: Advanced Botanical Consulting and Testing Inc. dba ABC Testing(アメリカ)
対象品: 受託試験
査察期間:2018年11月1-13日
回答受理日:2018年12月4日
GMP違反:4項目
掲載サイト:

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/advanced-botanical-consulting-testing-inc-dba-abc-testing-572991-06042019

 

<指摘事項の解説>

1.この会社は、試験方法の真度、感度、特異性、および室間再現精度を確立して文書化することに失敗した(21 CFR 211.165(e))。

複数のUSPモノグラフ医薬品を試験するために、USP法の使用も、試験法の同等性や優位性も示していませんでした。例えば、リドカイン、ドキュセート、およびフルオシノロンアッセイの試験法は、USPのものとは異なりますが、その試験法が適切であることを確立するためのバリデーションデータを提供できませんでした。

また、微生物試験の方法も適切である保証がないと言っています。この試験法がBurkholderia cepaciaを検出可能であることを証明していませんでした。

この問題は、以下のような経緯によります。

2016年にこの会社が試験をした”Diocto” Lot #20351513のCoAにBurkholderia cepaciaが検出されなかったことを示しています。しかし”Diocto” Lot #20351513は、この時期に発生したB. cepaciaの問題(少なくとも60名の発症が認められ、複数の患者が死亡した事件)に関連しており、本品を試験したところ患者から単離したB. cepaciaと遺伝子的に一致するB. cepaciaを単離したとのことでした。

クライアント(医薬品製造業者)はこの会社の試験データに頼っているので、クライアントが適切に判断できる試験法を使用することが重要であると言っています。

 

後の3項目は;

2.試験ノートに製品の情報(ロット番号、規格、有効期間)が記入されていなかったこと(21 CFR 211.194(a));

3.HPLCの監査証跡が無効になっており、データ変更に関するアクセス制限がされていなかったこと(21 CFR 211.68(b));

4.安定性チャンバーは2016年から構成されておらず、チャートレコーダーの記録から温度の変動が大きかったこと、実際の温度と違っていたことなど、多くの機器が校正範囲外またはバリデートされていなかったこと(21 CFR 211.68(a))です。