APIの国際査察プログラムに関する報告書(2011‐2012)が発行されました

Report on the International Active Pharmaceutical Ingredient Inspection Programme 2011 – 2016

このプログラムは、調査機関の国際協力でAPIのGMP査察の情報を共有することが目的です。これによって、各国の査察能力を有効に配分し、査察の重複などを避けることができます。

この協力と情報の共有は、今後もさらに増やしていくようです。このプログラムは効果的ですが、さらに取り組まなければならない課題もあると述べています。

日本は2016年からオブザーバーとしてこのプログラムに参加したので、この報告書の中には出てきませんが、これからのプログラムでは厚労省とPMDAも関係してくるものと思われます。

将来は、海外向けのAPIを製造している国内メーカーで、ジョイント査察や査察のカバー率が高くなるのでは?と個人的に感じました。

情報を共有するということは、このプログラムでGMP非遵守が認識された会社の欠陥がいち早く管轄当局にも知らされるということです。すなわち、FDAのWarning letterやEMAのNon-Compliance reportが出る前に情報交換が行われるわけで、その結果が管轄当局でも評価されることになると思われます。一般的には、確認のためのフォローアップ調査が行われるのではないかと思います。

報告書は、APIの査察の数が全体的に増加していると述べています。このプログラムで、944サイトの情報が提出されたようです。そのうち、約半数の458サイトが複数の参加機関の共通の対象施設でした。すなわち、複数の査察機関が関心を持っている工場だったということです。

458サイトの内訳は、18ケ国(インド226、中国165、その他16ケ国67)でした。殆どが、インドと中国ですね。この6年間で、このサイトに1333回の査察が行われています。

ジョイント査察は、43サイトで47回実施されました。すなわち、4サイトが期間中に2回実施されていました。

結果的にこの調査は成功したと述べています。参加機関に多くの査察情報が共有されたため、査察の透明性と効率があがったとのことです。

(“..)φ;私たち査察を受ける立場としては、重複の査察が少なくなるわけですから、むしろよい傾向だと思います。国際的なGMPを遵守する必要はありますが…